おんもらきのきず

ヴァンパイアはご機嫌ななめ   陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)



「ヴァンパイヤはご機嫌ななめ」  メアリジャニス・デヴィットスン 早川書房 ISBN:4152087684 C0097

「陰摩羅漢鬼の瑕」(おんもらきのきず)  京極夏彦 講談社 ISBN:4061822934 C0293

こてこてのヴァンパイア・ロマンスコメデイ。18才未満おことわり。っていうか、ちょっとエロすぎくない?
軽いノリなので、ナンシー・コリンズなんぞを念頭におくときっぱり裏切られます。おなじヴァンパイヤものでもここまで違いますかと感心。こちらの方が面白い!という方も大勢いらっしゃることでしょう。まあ、あちらはダークもいいとこ極端ですから。ブランド靴フェチのかなり自己チュウ性格の女主人公というところが笑えます。この人伝説の女王ヴァンパイヤになんかならなくても十分既に「女王様」。かなり迷惑な性格ではないかえ?原書はシリーズもので刊行されているそうです。ノリはライトノベル。さて次作翻訳は出るだろうか?

榎木津探偵が出るのはどの本だろうかと探してみて、とりあえず一冊。このキャラ扱い難いよねえ。なしにろ冒頭「おお、そこに人殺しがいる!」の一言で話が終わってしまう。仕方ない?ので今回「目が見えない」という急病に。でも相変わらず特殊能力は嫌が応でも発動してしまうので、あっち向いてこっち向いて何も見ないか目を瞑るか眠っているかどれか。
京極さんの話についてゆくのはつらい。けど、それに見合うほどの結論というか成果はあるのですけれども。
久々に読ませていただきまして、つくづくこのシリーズのキャラクター両極端に走っているよなあという感想。
関口巽のやたらと人事不省になる様子、なんだかヴィクトリア女王時代の淑女が何かと気絶、気付け薬を常時必要だったという話など思い出す。この作家よく独りで出歩けるなあ。久々に読んだら面白かったというお話でした。