オッペンハイマー

虎の首 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1820)  七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)  ヘッドライン  ばらばら死体の夜  女性同士の争いはなぜ起こるのか 主婦論争の誕生と終焉  オッペンハイマー 上 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇



「虎の首」ツイスト博士シリーズ  ポール・アルテ 早川ポケットミステリ1820 ISBN:9784150018207 C0297

「七番目の仮説」ツイスト博士シリーズ  ポール・アルテ 早川ポケットミステリ1815 ISBN:9784150018153 C0297

「ヘッドライン」 今野敏 集英社  C0093

「ばらばら死体の夜」 桜庭一樹 集英社 ISBN:9784087714029

「女性同士の争いはなぜ起こるのか」主婦論争の誕生と終焉 妙木忍  青土社 ISBN:9784791765034 C0030

オッペンハイマー」上 カイ・バード マーテイン・シャーウイン PHP研究所 ISBN:9784569692920 C0098



なぜフランス作家が英国を舞台にシリーズを展開するのか、かんがえると面白い。
王道本格英国ミステリとは少々趣を異にするとみえなくもなし。後書きを読んでみると、この作家「発想をどういう風なトリックで料理するか」というところに重点がいっているらしい。
英国風なら人物描写、心理描写に重点がいくのかも。さすがフランス料理、てなわけでトリックが珍妙一歩手前ゆえにか全然展開が読めないところに面白さありと見た。
こういうタッチも読み続けると癖になる。数がポケミスで揃い始めたので続けて読むと楽しいシリーズ。



「ヘッドライン」
今野敏の新シリーズ。あいかわらず達者な、というべき。

「ばらばら死体の夜」
何かと何かがミックスされている気配はあるのだけれど、圧倒的にこっちの読書経験値が低いためか見当付かないでいる。
どこへいくの〜?と作者に言いたくは有るのだが、ついてゆくのが精一杯だったりして不利。ガルシア・マルケスにのめりこむ質ではないので余計なのだろう。といいつつ後を追いかけてみたくなる面白い作家。



「女同士の争いはなぜ起こるか」
修士論文というのはこういうものなのですね。以前ナントカの復権とかいう新書を読んでなんじゃこりゃと思った覚えがあるが、この林某の主張も含めて主婦論争?の流れを追った実に意味のある本だった。
こんなまともな本が世の中に溢れていてくれたら「無駄な読書遍歴をせずに済むし楽なのに」と考えてしまう。
アグネス論争を追った本の中で上野千鶴子の文章読んでひっくりかえって、次の瞬間「これ明らかに釣りだ」と笑ってしまった覚えがある。やはり「計算」があってのものだったのだ。



オッペンハイマー
読み応えのある伝記。「理論的な科学者を束ねその研究の応用実用化に対応する技術者との意思疎通、不具合のフィードバックのための介在者」としてマンハッタン計画の主導者を演じたオッペンハイマーという人間の役割がよくわかる。
上巻は原爆実験がアリゾナ沙漠で成功した時点で終わる。
これからオッペンハイマーの苦悩とアカ狩りの渦に飲み込まれてゆく姿が描かれるらしい。
それにしても、どちらの側に付いても何らかの「疎外」「迫害」を受ける運命に生きていたユダヤという存在の立場を考えると重い。



梅雨も開けぬに夏日の連続。
いちにち室内でパソコン画面相手にしていると気分がささくれだってくるので、どこか気分転換したし。
青空を背景にしていた筈の山の向こうから、雲というか霧というか瘴気のような霞が越えてくるのが見える。
梅雨だねえ。湿気ばんばん来そうな週末である。
窓を開けるか閉めるか非常に迷うところ。日向に出れば紫外線びんびん。浜遊びは夕方がおすすめ。