スターバト・マーテル

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)  スターバト・マーテル

「卵をめぐる祖父の戦争」  デイヴィッド・ベニオフ 早川ポケットミステリ1838 ISBN:9784150018382 C0297

スターバト・マーテル」 篠田節子 光文社 ISBN:9784334926977 C0093



マコート君の(あんたは知り合いか!)「アンジェラの灰」を思い出しながら読んでしまう。
全くにして悲惨。だいたい舞台がレニングラード包囲戦のまっただなかというところで既に明らか。
何万人と言う人々がドイツ軍によって包囲され犠牲になった。たまたま命拾いをした19才と14才の若者が飢餓で死体が街にころがっている街で卵を一ダース調達しろと無理難題をふっかけられて、さてどこへ彷徨い探し歩いたか、と言う顛末。
あほらしくて笑うしか無いような理不尽な要求がまかりとおる、そんな政治的状況で武器になるのは「笑い」
悲惨だけれど可笑しい。しかし、これ宣伝文にエンターテイメントの文字を見かけたような気がするが、ほんとにそう思う?
楽しめるんですけどね。キャラクターが最高、かも。


篠田節子を定期的になぜか読みたくなる。
何かの病でしょうか。(失礼な)特にカタカナ題名ものを何故か選んでしまう。これもまた摩訶不思議。
このひと普通に物語している筈なのになぜか読んでいると変な世界に連れて行かれちゃう。今回もそうでした。
なんだか変な世界を垣間みる心地。よござんす。
変な不倫小説よりリアルな女性の心理描写も捨て難し。アツいんだか醒めているんだか。