都市と都市

「アンの想い出の日々」上  L・M・モンゴメリ 新潮文庫 ISBN:9784102113516 C0197

「アンの想い出の日々」下 L・M・モンゴメリ 新潮文庫 ISBN:9784102113523 C0197

「ブラックアウト」  コニー・ウイリス 早川書房 ISBN:9784153350052 C0297

「小鬼の市」  ヘレン・マクロイ 創元推理文庫 ISBN:9784488168087 C0197

「父と息子のフィルム・クラブ」 デヴィッド・ギルモア  新潮社 ISBN:9784105063214 C0097

「愛は売るもの」  ジル・チャーチル  創元推理文庫 ISBN:9784488275136 C0197

「君を想いて」  ジル・チャーチル  創元推理文庫 ISBN:9784488275150 C0197

「背後の足音」上  ヘニング・マンケル 創元推理文庫 ISBN:9784488209131 C0197

「背後の足音」下  ヘニング・マンケル 創元推理文庫 ISBN:9784488209131 C0197

「護りと裏切り」上 アン・ペリー 創元推理文庫 ISBN:9784488295035 C0197

「護りと裏切り」下 アン・ペリー 創元推理文庫 ISBN:9784488295042 C0197

「遮断地区」  ミネット・ウオルターズ  創元推理文庫

「都市と都市」  チャイナ・ミエヴィル 早川書房

  
とうとう桜の季節がやってきて去って行くという時期となりまして。まるまる1ヶ月間更新無しの読書メモ。
意欲減退とはいえそれなりの収穫もあり、であります。 といいつつすぐに内容は忘却の彼方へいってしまう此のごろの私ですので、足早に紹介。

モンゴメリの最後に発表した、というか死の翌日に出版社に持ち込まれたという遺作の完全なバージョンの短編集。 それがどうした?みたいな感じで読み始めたのだが、その文章群の構成からして異色の作品であったことを知る。
時代背景からしてやむを得ずと理由をつけたにしても、あまりに作者の意図から外れた形での出版、犯罪に近くはないかなどと思わせる。 公式に彼女の死が自殺であったことが発表されたわけで、この点についてもまあ読者としてはいろいろ考えさせられるものがあった。

コニー・ウイリス、ペーパーバック長編という感じでものすごく分厚いのに読ませる。いつもながらすごい。と同時に、 「読者」という立場にある人間の隙をつく、読んでいて「痛い」作品でもある。タイムトラベルすることで「歴史を体験研究する」という 発想の「上から目線」的な立場の学生達が、リアルな現実に対して逃げ場を失ったときの怖さがテーマなのだよな、多分。
「読む」ことで追体験している読者、すなわち「よまなけりゃそれでも済む」という逃げ場を持つ者にとっては刃をつきつけられているようなというのは深読みしすぎ
この続編「オールクリア」は上下册で刊行されるそうです。読み出したら止まらないコニー・ウイリスなりき。

「小鬼の市」
ヘレン・マクロイ自由自在。くそっ!やられたと思った幕切れ。先入観無しでよむがよろし。

「父と息子のフィルムクラブ」
親子関係になやむ親御さんの、指針にはならないがなぐさめには確実になる本。それと映画ファンには必読。やっぱ、ジェームズ・デイーンは見ておくべきか。

ジル・チャーチルはとばします。これで刊行すみ全部読了?否まだ一冊残っている「カオスの商人」
ヘニング・マンケルもとばし。か。とりあえず邦訳分全部読了か。

「護りと裏切り」
どうやったらこんな時代劇もので推理小説できるわけ?というみごとな手腕に度肝を抜かれた。まったくもって。 邦訳作品数少ないかも。とは思うけど粒よりなり。

「遮断地区」
ぞわぞわとミネット・ウオルターズにはありえないような加速度で状況が悪化して行くジェットコースターに載せられた気分。
おみごと!と快哉を叫ぶと同時に、最近「陰惨」「陰湿」「救いようの無い」ミステリーものばかり読んでいるせいかこの結末の希望が嬉しい。 といいつつ、カメレオンの影とかではもとに戻ってないか?

「都市と都市」
三崎亜記が警察小説かいたらこんなになる?と思わせる、不条理世界のなかで展開される物語。ありうるかも、と言う感じがおそろしい

というわけで駆け足に。最近集中力足りません。年かも。