2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

第五日目の1

夜の瀬戸内海をゆく。岡山市内から海側の三幡港に小船で出たのち、午前1時大阪から発した汽船「漢陽丸」に乗り換え朝までひた走る。「瓦斯灯」の光が影を落とす客室のなか鼾がひびきわたる。 目が覚めればすでに夜は明け、生まれて初めて見る瀬戸内海とその…

第四日目の2

5時に晩飯を宿で食べ、2時間待って船に乗る。雨が降り続けてかなり憂鬱になっている。船も満員で、「漕ぐ音」というから推進機がついている訳ではないらしい。肘枕に暫く熟睡し、三幡港で宿に仮寝をして、夜中に汽船に乗り換えることになる。昼間は動き、…

殺す風

「殺す風 」 マーガレット・ミラー 創元推理文庫 ISBN:4488247075 C0197魅惑的な邦題。原題は 「An Air That Kills」昔親父の蔵書にロス・マクドナルドなどと一緒に並んでいたという覚えが有る。 ただ、表紙が早川ポケットミステリで思い出すところが、ちょ…

第四日目の1

翌朝は7時に起床、これからしばらく雨が降り続く日がつづく。 朝食のちに名園「後楽園」を訪れるがどうも彼等の美的感覚にはあわなかったらしい。こののち船に乗って「紡績会社」を2社見学している。 紡績会社といえば倉敷が有名だが、ここは「綿糸」を扱…

第三日目の2

今回はちょっとながい。岡山へ着くまでである。途中で蒸気機関車に出会う記述が有る。これは、どこらあたりだろう。 汽車を見て流れに棹さして下るだけの船は文化的に劣る心地がすると書いてあるが、現在だったらこのような川下りは貴重な経験だろう。 自然…

第三日目の1

この修学旅行記を初めて目にして驚いたのが、中国山脈の川を船で下って岡山に向かったというくだりだった。 当時宍道湖中海には汽船が交通の便だったが、まだ山陰と山陽をつなぐ鉄道は貫通していなかったようである。 かわりに船頭のあやつる川船が岡山まで…

タトウーママ

" title="聖霊の島 ラフカディオ・ハーンの生涯" class="asin">//「タトウーママ 」 ジャクリーン・ウイルソン 偕成社 ISBN:4037267101 C8397「聖霊の島」ラフカデイオ・ハーンの生涯 ヨーロッパ編 集英社 工藤美代子 ISBN:4087744310 C0095基本的には悲惨の…

五年級の修学旅行記 第二日目

二日目にいたりようやく中国山地の分水嶺をこえる。 午前6時に起床7時半に分水嶺にいたる。四月に入っても残雪をみたとの記述。旭川の支流に沿って今新庄をすぎ、美甘(みかも)、神代へと至り山中に岩壁をみる。午後4時に勝山を過ぎそれから小休憩、落合…

五年級の修学旅行記 第一日目

前回のは概要を書いた項だったが、これはその詳細となる「修学旅行記」の第一日目にあたる。 4月14日午前7時頃、汽船に乗って松江を出立した30余名は、同日大山に旅行する下級の学生とともに米子へ向かった。中海へ出た汽船は尼子氏時代に居城のあった…

容疑者Xの献身

////「容疑者Xの献身」 東野圭吾 文春文庫 ISBN:9784167110123 C0193「ボーイズ・ビー」 桂望実 小学館 ISBN:4093861331 C0093「負けた教」の信者たち ニート・ひきこもり社会論 斉藤環 中公新書ラクレ ISBN:4121501748 C1236なかなか出会えないものだから買…

西郷従道来る

こういう記事を見ると、明治時代だという感じが深くなる。 たしか司馬遼太郎の「坂の上の雲」で覚えた名前だったかと思う。 明治維新の西郷といえば当然「隆盛」とくるが、このひとはたしか血縁にある人だったと覚えている。松江城を訪れたとあるが、此の頃…