不機嫌亭漱石

坊ちゃんの時代 第5部 凛冽たり近代なお生彩あり明治人 不機嫌亭漱石 アクションコミックス   できそこないの男たち (光文社新書)  ミランダ殺し (創元推理文庫) 狙った獣 (創元推理文庫)


「不機嫌亭漱石」坊ちゃんの時代第五部  関川夏央 谷川ジロー    アクションコミックス 双葉社  ISBN:4575935239 C9979

「できそこないの男たち」  福岡伸一  光文社新書371  ISBN:9784334034740 C0245

ミランダ殺し」  マーガレット・ミラー  創元推理文庫  ISBN:4488247040 C0197

「狙った獣」  マーガレット・ミラー  創元推理文庫  ISBN:4488247067 C0197


なにも順不同でかまわず読むたちとはいえ、シリーズ再終巻を選んでまっさきに読む事はなかろうに、と自分でも思う。とりあえず面白かった。江藤淳の「漱石とその時代」みたいに難しい漢字羅列の文章を読むときとは当然感覚が違う。時代考証が、画像にするとものすごく大変そうだとつくづく思う。できればぼちぼちこのシリーズにも眼を通してみようと思う。


「できそこないの男たち」
えらくロマンチストな理科系先生、という感想。大学に入って「ファーブル」はいないと知った、という記述にうなづく。なまじ頭が良くて京大に入って博士号まで穫ったのに、どこか満たされぬ部分が残る。(就職もないんだけど)
多分そういうロマンチストの部分がこのひとにこんな文章を書かせるのだろうなあなどと憶測する。(事実は知らない)いずれにせよ、題名と内容になんだかズレを感じますが、是非御読みになってください、損は無い。遺伝子の話から発生学、日本人とされる人々のルーツから皇室継承問題まで幅広く話術はひろがってかつ大変面白い。理系とは思えぬ(これ偏見ね)多彩な構成をもって記述されています。こういう本がたくさんあればきっと理系人口も増えるのに。


マーガレット・ミラーはもうほとんど推理小説の域を脱しております。なるほど「サイコ・スリラー」ね。人間ってこんなに面白いものか、と思わされるが決して戯画にもなっていないしありうる人間造形。未だに誰も到達していない域の作品だと思われる。

また、風邪をひいてしまった。しかもまた似たような症状。数年ぶりに激しい運動等して体がたまげたか。それでも次年度からちょっと続けてみるかという気になった。ウオーキング程度では全然運動になっていないのがよくわかる。とはいえ、実年齢より10年くらい高齢の体で持つかしらん、とも思う。「健康重視」といいつつ墓穴を掘っている気がしなくもない。