家族の昭和

家族の昭和 二つの月の記憶


「家族の昭和」  関川夏央  新潮社 ISBN:9784103876045 C0095

「二つの月の記憶」  岸田今日子  講談社 ISBN:9784062143998 C0093



向田邦子幸田文を語りつくす、というところまでは行かないがこれは必見の書。
残念ながら金妻(「金曜日の妻たちへ」を当時こう略していた)については、公私ともに忙しくてそれどころではなく
見た事が無い人なので、コメントは難しい。
ただヒマな上司が(ちょうど団塊世代)このドラマにあてられてか、意味も無く(おいおい)不倫願望をむき出しにして迫って来て困惑した覚えが有る。
自分の反応は「なんじゃあ、それ?どっか寝ぼけてんじゃあないの」
なんだかラジオドラマ「安倍礼司」の上司「おおばかもん」みたいなキャラクターだった。
「ぼくちゃん、できない」と人の数倍も給料もらっているくせに泣いてみせると助けてもらえると思っているバカだった。
まあこれはドラマのせいでなく個人の資質がかなり関与しているような気がしなくもない。
というのは、その後いろいろな人間との出会いを重ねた結果の結論ですが。さて。
そういうわけで金曜の妻たちへシリーズと男女七人夏物語あたりについてはリアルタイムで見た事がなかったのでよくわかりません。
それを語るのに「もう」なのか「まだ」なのか、過ぎた月日を考えると感慨深い。


岸田今日子は画面で見るだけでそのままホラーだった。しゃべったら、もっとこわかった。
怖いけどものすごく好きな女優さんだった。そして書く文章もやっぱり怖くて美しかった。
そんな女優さんがひとり居なくなった事が哀しい。

「正月休み」でしばらく御休みします。