グアッシュ

べつに漫画の話ではない。
リベンジで杉林の絵にグアッシュで手を入れてみる。失敗。
透明水彩でしか描いた事のないひとなので、不透明水彩の扱いはほとんどよちよち歩きの幼児並み。
ベロンと一筆撫でただけで、ウひゃあというくらいの強い色調が画面に張り付く。

背筋がぞっとするというかひんやりする。怖いのか、気持ちいいのかよくわからん。
中学校の時にスケッチ大会があって、絵画教室に通っている子たちが「おまえらブラマンクか!」と言いたくなるようなタッチの絵を描いていて度肝を抜いたのを思い出す。
当時から自分の絵は印象派タッチ。
真剣に悩んだ。ずいぶん悩んだ。チューブから直接塗り付けたらああなるんだろうかとちょっとやってみた事も或る。
無駄だった。
「倹約」が五臓六腑に染み渡っていた子だったから、そんな風にチューブ直接なんて恐れ多くて耐えられなかったけど。

成人してから知りました。水彩絵の具には「透明」と「不透明」の区別があることを。
「新境地を開く」と云ってみたいけど、やはり無理かも。
透明は薄く淡く絵の具を塗り重ねる、明るい色からくらい色へ。
不透明は暗い色から明るい色を置いてゆく。正反対。朦朧体はないといってよい。
数十年の実績?がみごとに崩される、って、相当デッサン力必要。パートタイム画家には無理か。
これなら「男鹿和雄」のような風景が描けるかもと思いつつ、こうなると「樹形」「植生」すべての知識を基礎知識として持っていなくては何も描けない。

無理だよなあ、と思いつつ透明水彩では封印していた「黒」の色がなまめかしく誘ってくるような感覚が…
ちゃぶ台をひっくり返す気合いで描かないとならんぜよ。