宍道湖連合漕艇会の3

試合の回数を経るにつれて、作戦もいろいろバラエテイに富んできます。
同時に昼ご飯も終えて疲れも出るのでしょうか、(まさか「きこし召す」なんてことはあるまいが…)不調の選手もあり。

第八回
赤、商業はアルタイにて南コース
青、師範はパシフ井ックにて北コース
スタートにて師範は少しく後れ一艇身は確かに抜かれたりロングピッチにして500米突の頃には出発に後れたるにも拘はらず赤を抜けり然れども商業は36のピッチにて進み来り700米突計りにして又青を抜きハード能く功を奏し800米突にして優に一艇身を勝つ此時青は乱調となり決勝点に近つきては青45赤48のピッチにして遂に6分22秒赤三艇身の勝と審判せらる。


第九回
赤、師範はアルタイにて南コース
青、中学はパシフ井ツクにて北コース
スタートにて青少しく後れたれども赤五六本にして調を乱したる為めに並行せり両艇共にロングにして300メートルの頃青30赤33なり500メートルに至り赤の2番と整調とは疲れ動もすればオール後れんとするの傾あり青は800メートルにして航路を少しく誤り為に抜かれ決勝点に近くして赤少々乱調なりしにも拘はらず青のピッチ遅きに失し為めに遂に回復するを能はず6分27秒半、二艇身の差を以て勝は赤に帰したり、されど赤は力漕のきらひあり青の漕報の美なるには及ばず今少しく長距離なりせば勝は青のものと思ひしは欲目か。


午前中第十回迄行ふの予定なりしかど是にて喫飯となれり時に午前11時40分
正午連合競漕会発会式ありて後引続競漕を行へり時に午後1時40分第十回のレースは始まりぬ。


第拾回
修道、赤はアルプスにて南コース
師範、青はヒマラヤにて北コース
スタートは何れも良く修道は好ピッチ師範は少し早からざるやの感あり青100メートルにして一艇身を抜き400メートルにして三艇身を抜けり此時両艇既にハードにて、500メートルを過ぐる頃皆コースを誤りて北に偏れり800メートルにして両艇乱調となり決勝点に近くして赤整ひしかど時既に遅れたり遂に6分5秒、十一艇身半の差にて審判席より青旗挙りぬ、されどスタイルは修道美なり只当日敗を取りしはコースを誤まりし差の大小とフ井ダリングの悪しかりしが為なり


第十一回
は中学対修道なりしが選手に病気ありしを以て中止となれり。


第十二回
青、中学はパスフ井ツクにて北コース
赤、師範はアルタイにて南コース
スタートより500メートル位迄は両艇共ロングにして追ひつ追はれつしけるが赤ハードにて突進せしも青従容として逼らず緩調之を追ひ800メートルに至りてハードに変じ漸次追及し来りしを以て赤多少狼狽の気味合にて少々オール調はず而も青の調一糸乱れす其スタイルの美なると当日第一等なりき決勝点に近くして更に急調に変じて追ひ激戦となりしが惜い哉一艇身半の差5分58秒を以て勝は師範に帰したり。