YS11

米子空港附近で車を走らせていたら眼前をYS11が降下してゆきました。弓ケ浜を南下する産業道路は、つい最近走路が延長された米子空港の滑走路と直角の方向で交わるのです。


「YS11」ってなに?という方に一言でいいますと戦後(太平洋戦争のことですね)に造られた「最初で(たぶん)最後の日本国産プロペラ機」と紹介いたしましょう。採算が合わなかったということを除けば非常に優秀な飛行機だということは、何十年も大切に使われていることが何よりの証明。いまだ現役でしかも「編隊飛行をみることのできるのはここだけです!」というアナウンスを何年か前に美保基地航空祭で聞いたことがあります。


この機影をながめてウルウルきちゃうというのは別にワタシが自衛隊マニアとか飛行機マニアだからということでなく、YS11という飛行機の開発設計に関する本を読んだことがあるということだけなのですが。じつのところこの設計には零戦(知ってますか?)の開発にも携わったような技術者が日本人としての誇りや思いもこめてこの仕事に関わったという歴史があるわけです。
ともあれ、半世紀生きて来たワタシが物心ついたときには既にメジャーなものだったという事実に気がついたときは驚きました。さすがに種々の事情によりほとんどの機体が引退していっているようですが、なんだか「けなげな」という言葉が頭の中をよぎるのであります。