ハンターズ・ラン
[ふたり旅」生きてきた証しとして 津村節子 岩波書店 ISBN:9784000246422 C0095
「道徳という名の少年」 桜庭一樹 角川書店 ISBN:9784048740586 C0093
「ハンターズ・ラン」 G・R・R・マーテイン ガードナード・ドゾワ ダニエル・エイブラハム 早川書房 ISBN:9784150117610 C0197
吉村昭と津村節子夫妻が共に生きて来た年月を語る。同時に二人の作家の作品解題になっている。なんとまあ一途な。
今度の桜庭一樹は「なんちゅう本を書いてくれたんだ!」と云わしめる童話。この毒のありようは、米倉斉加年の絵本に匹敵する。何なんでしょうねえ、これは。いい年したおばさんをも「欲情」させるとんでもない本であった。
15才未満はお断りだからねっ!
「ハンターズ・ラン」は、筋金入りのSFマニア垂涎もの。これをよんで狂喜乱舞すること請け合いのフルコース。共作というといつも二の足踏んでしまうのだが、マーテインに限っては例外なく傑作がつづく。ワイルドカード?をはじめとして。こんなにこってりとしたハード系SFを読ませてもらうと、クリームを舐めた猫みたいな気分になれるのだ。解説にある「ハックルベリー・フィンの冒険」とやらを読んでみようかとふと思わされるくらいに。
まあ読むなら大江健三郎に習って原文から読んでみるのも一興か。
(東大出のノーベル賞作家に挑むってか…笑)