兄の殺人者

夢の破片(かけら) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)  兄の殺人者 (創元推理文庫)  死ねばいいのに


「夢の破片」(ゆめ の かけら) モーラ・ジョス  早川ポケットミステリー  ISBN:9784150017620 C0

「兄の殺人者」  D・M・デイヴァン 創元推理文庫 ISBN:9784488240066 C0197

「死ねばいいのに」  京極夏彦 講談社 ISBN:9784062161725 C0093



みごとなノアール小説。なんと舞台は英国のマナーハウスときているから凝っている。
ひとにはそれぞれ人生を歩につれて残して来た「夢の破片」がある。ふとしたきっかけで寄り添うことになった三人の男女の人生が、主人が留守をしているマナーハウスに暮らすようになり疑似家族として暮らすことになるのだが…
淡々と語られるそれぞれの過去が織りなす哀愁が、美しいマナーハウスを背景に夢のように思い出される。
それでいて夢物語然としたというには厳しくリアルな人生が展開しているというノアール好きにはこたえられないお勧めの本。

「兄の殺人者」
殺されたとおぼしき被害者は主人公の兄。二転三転どころか4転五転する筋の運びは楽しい。なにしろインタビューする相手と主人公の自覚 というか認識がどこかずれていて、主人公あんたこそどういう奴なんだという問題の方が気になった。
手だれの推理小説読みでも満足できる面白さでした。

「死ねばいいのに」
読後思わずつぶやいた。「嫌な小説だなあ」。勿論褒め言葉だというところが京極夏彦の本たるところでありまして。
やはりネットで読まないでリアルに本で読む方がわたくしの好みですね。それにしても、自分のことを言われているようで困ります。え、「何人目が自分に似ているんですか?」ですか。それは言わないことにしましょう。ネタばれになりそうですし。

空気が澄んでお月様が綺麗に見えるようになりました。気温も二十度ちょっと越えたくらいの肌寒い夜。鈴虫が盛んに、蟋蟀がほろほろと鳴いております。油断したら風邪をひきそう。おお、久しぶりに山口の「ういろう」が手に入ったぞ!!!るんるん