人生はロックだ

夏への扉[新訳版]  怪奇小説傑作集 3 【新版】 (創元推理文庫)  辺境生物探訪記 生命の本質を求めて (光文社新書)  ハートシェイプト・ボックス〔小学館文庫〕

夏への扉」 ロバート・A・ハインライン 早川書房 ISBN:9784152090591 C0097

怪奇小説傑作集3」 H・P・ラグラフト他 創元推理文庫 ISBN:4488501087 C0197

「辺境生物探訪記」生命の本質を求めて 長沼毅 藤崎慎吾 光文社新書472 ISBN:9784334035754 C0245

ハートシェイプト・ボックス」  ジョー・ヒル 小学館文庫 ISBN:9784094081305 C0197



新訳というのに特にこだわりはなく、久しぶりに読んでみるかというノリ。古びませんね名作は。
ハインラインとかシルヴァヴァーグとか、さかんに翻訳されていた時代がちょうど20代半ばでしたのでハインラインも数は読んでいる筈なのですが、ちょっと苦手な作家だったか。セクシャル方面が結構ねちっこく書かれていたような気がして、そのあたりのせいで敬遠しはじめたのでした。とはいえやはり大御所、作品の数といい内容といい見事な作家。やはり猫好きにはたまらない「夏の扉」。久しぶりに楽しんだ。

怪奇小説傑作集」
図書館にずらっと並んでおりまして、どれから読んでいいのか悩む。とりあえずラグラフト、ということで。このクトォルー世界?の亜作品の方が自分的におなじみなので、思った程には不気味でなかった。栗本薫だのキングだの、語りが驚異的にうまい作家が描くとそりゃあもう夜眠れなくなる。キングでいえば「霧」とか「ランゴリアーズ」とか。
映画化されて迫力ないとか文句言っているヒトもみかけますが、なれば原作お読みください。保証つき。

閑話休題
その昔見栄だけで読んでみた「谷間の百合」とか「レ・ミゼラブル」(これは編集無しのもの)とかの「ロマンス!」とか言う感じの叙情的な語りの作品があったりして楽しめました。ナントカ氏の娘とかいうの、良かったです。


「辺境生物探訪記」
もともと微生物関係は「微生物の狩人」知識で止まっている自分、落とすべき鱗などないのですがむちゃくちゃ「目からウロコ本」でした。これは絶対科学好きの中高校生に読ませたい。まあ大人でもちょっと完全には理解出来ないとは思いますが。
先日ラジオで初めて「サカナ君」とかいうヒトのしゃべりを聞いたのですが、それと同じでこの長沼毅(ながぬま たけし)と言うヒトの話を聞いたらどうだったかな、とふと考えた。「読んだ後に知った方がいい」タイプのひとというのもありますから。

地球生物の種が地球外からやって来たという説、なにを馬鹿なと思っておりましたが、なるほどこの本を読むとそれも有りかもと納得出来ます。深海の世界から、太陽系、地下から、南極、北極、沙漠、ウラン鉱の生成とか、もう無茶苦茶話は広がります。
こんな研究やっているヒトがいるんだと思うと世の中楽しくなる。ただ、相当の変人?機会があったら声を聞いてみよう。こわいものみたさ、で。

ハートシェイプト・ボックス
2010年映画化とか後書きにあるのですが、本当にされたのか?期待に違わぬ良い作品だった。なにが良いって、主人公が「ロッカー」(倉庫じゃないよ)として生きているのね。矢沢永吉みたいだあ。それとホラーをドッキングさせて、というところが面白い味になった。
人生はロックだぜ。一本筋の通った主人公に乾杯!