学資金の2

この項で面白いのは、学生の日常服がわかること。そういえばこの時代の書生の服装は、必ず着物の下にはシャツを着て袴をはいているイメージがある。それに帽子をかぶった、いわゆる「フクちゃん」のかっこうだ。とりあえず「靴」もありらしい。あれ、「はかま」と「ズボン」か。
資料の中にこのころの学生の集団写真があったのだが、詰め襟をきていた。やはり既に「学生服」なのだろうか。

(丙)在学五ヶ年被服費
内訳
品目     需要数   単価   総価     備考
冬服     2    2.65  5.30   第一学年及び第三学年各一具つつ
夏服     2    1.50  3.00   同前
外套     1    5.00  5.00   初年に1枚
帽子     2    0.60  1.20   初年及第三年各1個
同日覆    2    0.05  0.10   同前
靴      3    1.50  4.50   初学年第二学年第四学年各一足
同足袋   55    0.08  4.40   一ヶ年11ヶ月とし1ヶ月各1足とす
冬シャツ   6    0.50  3.00   初学年2枚第二学年より第五学年に至る4年間各1着
冬ヅボン下  6    0.50  3.00   同前
夏シャツ   6    0.35  2.10   同前
夏ヅボン下  6    0.35  2.10   同前
13
赤毛布    1    2.50  2.50   初学年に1枚
(備考)右の外常衣、蒲団、蚊帳、袴、行李、等を要するも之を積算せす
今前記予定価総計金367円63銭を毎学年に配当すときは如左
一金84円98銭  第一学年資金
一金70円37銭  第二学年同
一金70円45銭  第三学年同
一金67円83銭  第四学年同
一金69円     第五学年同
前諸費は、何れも概算を示したる者なれば多少の変動あるべし、例へば、書籍費の如きは古本を、被服費の如き
は古服を求めて之を仕立直し用ふれば、予定額より遥に減するを得べきが如し
毎年の帰省、旅費、及病気、其他不時の費用を要する場合は、前予定金額に見積らす、右学資金予定額表は、一葉
宛生徒父兄に贈与し、以て参考に供せられたり、