熊本第五高等学校運動部の1

だんだん切羽詰まって来た。さっさと補給しないとネタが尽きる。
さて、今回は熊本第五高等学校の運動部の状況。野球部は対抗試合には向いているようでどこにもあるようだ。
といいつつ熊本人には野球は向いていないらしい。では、何が向いていると書いてあるか?それは先をよんでのおたのしみ。

ううむ、ぜんぜん「尋常中学校の生活」でなくなってきた。

3.2 五高運動部概況 在熊本  EK
(第三号 44頁〜48頁)
野球部 
昨春一度筑博の野に山口の軍を破りしより勝驕れるにはあらざるも意気兎角揚らず以来は殆んどバットを手にするものなく運動場裡の寂寞は實に局外者をして尚且嘆声を洩らさしむるの観ありき

今春第二回の挑戦を受くるに当て遂にいさぎよく応戦の回答をなすに至らざりしもの思ふに元より多少の事情は存せしならんもその意気揚らざる事大に興て力あるべし

総じて熊本の風土人情より察するも此の種の遊戯は甚だその嗜好に合ひ難ければ本校に来て新に此技を修むるものは絶てなく大抵尋中以来多少の心得あるも(重に兵庫大阪)のみを以てなれる此の部の事なればその振はざるも怪むに足らざるべし


されど今春委員の改選ありて以来鋭意拡張を計りしためかくも眠れる此の部の近来稍活気を生ずるに至りしも尚昨春に於ける部員が軽快なる挙動とは到底比すべくもあらず
要するに今後とても此の部が世人をして意外の思をなさしむるの進歩をなさん事は覚束なかる可し