わたしの男

私の男


「わたしの男」    桜庭一樹  文芸春秋  ISBN:9784163264301 C0093



おったまげる。例えていうなら、ベリーロールしか見た事の無い人間が、生まれて初めて目の前で突然背面跳びをみてぐわあんと新記録だされたみたいな気分。
はっきりいってこの数十年蜿蜒と書かれて来た無頼派男性作家による作品をはるかに凌駕してしまったという観がある。といいつつ其の手の作家は四半世紀前に集中して読んだあとそれ以後見向きもしなかったので全部忘れたけど。

桜庭さん快挙!なんであんな幼い顔してこんな物語が書けるのか。この間読んだ雰囲気では巫女さんみたいな狐憑き創作手法の様にもみえた。各章の順番が絶妙ですね。この順番だからこそ、否この順番で読まねばならないという必然を感じました。
文句なしです。日本の文学の行く先はあかるい。希望が見えました。

雪かきしてたら溝にはまった。下手すりゃあ利き足骨折してたところ。いっやあ幸運だった(せめてもの)膝の皿の下少し抉れ、腿の打撲と擦過傷。腫れが出たか正座が出来ない。右足負傷の知り合いが「牢名主」といいながら座布団かさねてテーブルの下に足のばしていた感覚少し理解した。

といいつつ、また今日も雪かき。懲りない奴。さすがに溝には近寄らなかった。