東京工業学校の2

検索してみたところこの学校は現在の東京工業大学であるらしい。
関東大震災のために後年壊滅し当時の姿は窺うべくもないらしいが、とあるブログに写真も掲載されていた。
窯業科など燃料や資材搬入の為に隅田川河畔に建設されたというところがミソかもしれない。騒音なども日常的にあったであろうし、広大な敷地確保も必要でとなるとかなりの田舎であったかも知れないというのは憶測。
なにしろ「浅草」なのである。とりあえず「他の諸学校と異なり」という一節は、地元民でないと解けない疑問なのでその関係を御存知の方にはおわかりの事と思う。「寮はなく、下宿から通っていた」の意味も同様。
煉瓦造りの校舎は立派であったに違いない。

学校の位置

東京市浅草区蔵前に在りて地 11,477 坪余建物総坪数 3,864 坪其の内多くは諸種の工場に属す而して校の背面は隅田川に沿ひ二條の入堀ありて製造の原料品其の他燃料の運搬に便す
本校が他の諸学校と異り地を浅草に選びしも其の原因蓋し此にあらんか而して寄宿舎なし生徒は皆下宿より通学するなり


建物分類坪数は左の如し
  事務所              217坪222
  教室(内二階140坪)      582坪250
△ 窯業科工場            185坪900
△ 応用学科工場           167坪990
  染織科工場            367坪333
△ 分析室              134坪460
△ 機械科工場(内二階140余坪)  717坪798
△ 電気工場              73坪000
以上本校(△印あるは煉瓦造)



 附履職工徒弟学校に属するもの   586坪290
  工業教員養成所に属するもの    340坪000
  附属工業補習学校に属するもの    25坪000
  倉庫(内二階36坪)        72坪000
  雑建物               45坪250(主に本校に属す)