忍ばずの女

忍ばずの女



「忍ばずの女」    高峰秀子  潮出版社  ISBN:9784267013624 C0095



これを「贅沢な装幀」といわずして何をいおうか。安野光雅がそのために描いた絵に、司馬遼太郎の題字。
時折「高峰秀子」と「高峰三枝子」が頭の中でごっちゃになるが、こちらは通称?「でこちゃん」お歌は歌わない(たぶん)。
そのむかしJRのポスターで上原謙と一緒に写っていたのが「みえこ」さんの方。

さりげない文章だが、エッセイの「達人」級のレベル。この時代の俳優さんて、岸恵子さん、池辺良さんとか文章に教養が溢れている感じがする人が多い。
しかも、話術巧み、エッセイの上手さ、うならされます。
この本では石井ふく子プロデユーサーのお母さんの話がメインになって、著者が書いたシナリオも掲載されている。
考えればかなり壮絶な生い立ちや周囲の人々の尋常でないような絡みの話もふくめてさらりと書き流しているところは、
これはやっぱり人生の「達人」でもあるということなのだろうか。