警官の紋章
「警官の紋章」 佐々木譲 角川春樹事務所 ISBN:9784758411202 C0093
警官シリーズ、ところでこの物語の発端になる事件を読んでいないのだけれど、それってあるのかしらん?
それにしても相当の手腕の作家さんである。現実と虚構の間をかすめて物語を納めるところなど唸らされます。
語り手の視点がころころ変わるので、複数キャラクターをまともに覚えられない自分はちょっと苦労しましたが、展開上こういう語りにならざるを得ない事は了解いたします。
ただひとつ、やっぱりどうもいまひとつビジュアルにこのキャラさんたちの姿が見えにくい。なぜだろう。
そこをのぞけば、「完璧」です。今風の松本清張かというくらいに。
佐々木譲、日明恵、高村薫(最近のは読んでいない)、海堂尊を、「x軸:エンターメント性」「y軸:テーマの重さ」「Z軸:虚構性」で図にしたらどんな点を占めるかなあと思いつつ楽しんでおりました。