琵琶湖遠征紀行の10

岸清一郎氏は松江中学第一期生卒業名簿にあります。法律を学んで政治家として名をあげた名士です。
現在の島根県立美術館のあるあたりはもと小学校が建っていましたが、この周辺は岸氏所有の土地だったらしく寄贈された者のようで、そういう内容の碑が建っています。また県庁正面にはおおきなブロンズの立像が建っています。

同夜岸清一郎氏の開かれたる慰労会に望んで、山口審判長の言を聞きし我は人知れず両の袂を霑しぬ。嗚呼島根一中の不幸児見よ!汝は何の希望を以て琵琶湖遠征の途には上りしぞ、汝は故山を出るの時敗くと謂ひて旅立ちしか
よし勝敗は時の運とは云へ昨夏以来同窓の友に滋養の品を恵まれて必ず勝てと云はれしは尚我が耳に残れるを、無言の誓我はして、必ず優勝旗を得て?らんと、雨に浴し風に櫛り、薪に臥し胆を嘗め、あらん限りに力めしを、旅費の恵みも尊しや無声の誓もうたたかの、水の泡と消え失せて、残れるものは泪のみ、嗚呼如何せんせん。

碧雲湖畔子抱への、地蔵浜辺には今も猶千鳥の声を聞けど、赤山の上紅丘の峰に不如帰の声はすれど、我今昔日の勇気なく希望なし、嗚呼あはれ十四の選手!!!

我等十四の敗将を哀れと思ふ人あらば次の番組に同情の涙を寄せ給へ。


回数  衣色  団体名        航路   着次   時間
第1回 赤   滋賀県八島倶楽部    1    1
    白   滋賀県第三仏教中学   3    2
    青   福井県闘波倶楽部    2    1     5分29秒

第2回 赤   岐阜県大垣中学校    2    2
    白   滋賀県師範漣倶楽部   3    1     5分29秒