琵琶湖遠征紀行の9

疎水の流れを感じたというのは、いろいろ流れがあるのでしょうね。
なかなかの健闘はしたのですが、さすがに優勝は出来なかった模様です。こののちに試合結果が書いてありますのでご期待くださいませ。

然して我第一選手は実に其難路に当れるなりき、されば遅るるも理艇は一艇身の後になりぬ、然して我は尚始めの如かりき、六百メートルより第一選手はハードを以て応じぬ、されど惜む可し此一番引力の急なるは遂に彼をして第一選手の後に成らしむる事を得ざりし理由となれり、

七百を過ぐる頃より彼の速力は下りぬ折を目懸けて驀地に進む我第二選手は彼と並行せり、されど千メートルの至るに連れて彼の速力又旧に倍して進み出しぬ之実に弥次隊の御影なりと謂ふとも過言ならざるを信ず、されば我のハードを令せしも事既に遅く第一選手の進行も亦旧に倍するの士気なかりしなりされど其内に自然と我は彼を抜くの妙ありたり、故に決勝点に入りし時は既に我と彼と並行に第一選手は尺余我と遠ざかりてありき、

勝敗果して何れの手に帰すべきぞ俟つ事数分間遂に旗は審判席上白を以てせられぬ、嗚呼事此に至りて万事休す得天か命か此に至りて我は喋々噌々の怨言を審判者に○(口篇に即)つてを好まさるなり、何となれば勝てる者は已に敗機に瀕し敗るる者は猶勝つへきの余地を存すればなり、
されば我は来る可き年の夏如何なる手段に於てなるか未だ予言せずといへども不正ならざる上ぱあらゆる手段を尽くして必ず優勝旗を得む事を誓って止まざるものなり。