レッド・ボイス

天外消失 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1819) レッド・ボイス (ハヤカワ・ノヴェルズ) シャッター・アイランド (ハヤカワ・ノヴェルズ) きのうの神さま 路上のソリスト


「天外消失」世界短編傑作集    早川書房編集部編   早川ポケットミステリ1819  ISBN:9784150018191  C0297

「レッド・ボイス」   T・ジェファーソン・パーカー   早川書房 ISBN:9784152089342 C0097

「シャッター・アイランド」  デニス・ルヘイン  早川書房 ISBN:4152085339 C0097 

「きのうの神様」  西川美和  ポプラ社   ISBN:9784591109236 C0093

路上のソリスト」失われた夢 壊れた心 天才路上音楽家と私との日々 ステイーヴ・ロペス  ISBN:9784396650438 C0098

知らぬ間にどこかの穴に落ち込んでいたようで、なんだか気分が更新できずにおりました。
というわけでこんなに本がたまってしまった。やれやれ。

「天外消失」
はは、初めてターザンシリーズを読んだ。
バローズは火星シリーズはほとんど全部、金星はすこし、ペルシダーは一冊?若い頃って遅くても高校時代には読んでおりました。
なかでも火星シリーズはライブで翻訳新刊が出ていた時代なので、宇宙大作戦と同じく新刊を手に取るわくわく感を満喫したシリーズでもあります。ワイズミューラーの映画はお気に入りだったのですが、さすがにあの頃でもターザンシリーズには食指は動かなかった覚えがあり。
今読んでみると、時代の「思想」の変遷とやらがよくわかります。
NHK BSでやっていたマカロニウエスタン映画なんかをちらっと見た時にもそういうところがあり、なかなか興味深い。
ともあれ、この短編集お勧めです。なにしろ作品の質も上質ですが今では滅多にお目にかからない、しかも名前は名高いという作家さんが名を連ねているという逸品揃い。あとがきの解説もみのがせません。

「レッド・ボイス」
どこか諦観を感じるしずかな語り口(の翻訳)が、主人公の境遇に沿ったという趣き深い作品。いいですねえ。

「シャッター・アイランド」
とじこみなんていう小細工は余計であります。推理的には充分凝ってはいるけれど予想できないことでもないし、売りはこの作家の持ち味で十分でしょう。
なにしろミステイック・リバーの作家さんなのだから、新機軸を目玉にしなくても充分成立しています。
なかなかのサスペンスでした。個人的には最後の行の意味が不明。そんなことどうでもいけど。

「きのうの神様」
えっと、直木賞候補ですか?他のは読んでいませんが受賞の可能性十分ありという感じ。
万城目はんの「プリンセストヨトミ」も候補らしいですが、読んでみたい。ってここには関係ないけど。

路上のソリスト」 面白いけど、米国の市街はこんなにハチャメチャな状態なのか、とちょっと想像を絶します。
ぬるま湯の中で育った日本人なんか即駆除されそうな勢い。
文章は、著者がコラムニストのせいなのかよくわかりませんが、すこしこれもハチャメチャな感じが気になった。
映画は当然別物でしょうが。
コラムの「原文」を時系列的に読んだ方がかえって感動的であったかもしれないという気がします。(勝手な言い分)