武徳会の柔術試合の5

これは年齢別による取り組みなのかもしれません。短艇では優勝できなかったことをえらく嘆いていましたが、こちらは全勝で短刀をもらえたということで満足している様子。
この項は今回で終了です。

引き続き20年以下16年以上の選手勝負は始れり

第一回岩田氏出てて二三合戦戦ふ中敵の捨身に斃れたり、次に石原氏出たり、負投充分の効を奏せず、起き上がり寄り来る所を足払にて美事一本、次いて酒井氏出づる様捨身にて敵を斃せり、頼みに思へし日森氏は敵の腕締に敢なき最後、
第二回石原氏一打二打戦ひしが敵の足払に潔き最後を遂げぬ、酒井氏は引分となりぬ。第三回中井氏此に戦死を遂げぬ。


さはれ全勝の上栄誉の短刀を受けしは誠に是れ絶大の名誉に非ずや。
時しも日は西山に入り果て暮色蒼然として柳影黒し、宿に帰れば名さへ床しき三保ケ崎に天晴の技倆を表はし英名を琵琶湖の湖に掲げし短艇部の選手あり又はえある全勝に雷名を満天に轟かすしたる撃剣部の選手あり、まして今日と云ふ今日の大勝利!!!愉絶快絶!…此夜は我校三部の選手皆相擁して功名話に夜は更くれども綿々としてつきず、強いて眠に就く征旅以来眠始めて安きを得たり。


7日汽車は光栄を担ひし我一行を乗せて敦賀をさして馳せぬ、此処より海路境につけば、西を遥かに故郷の山笑を含んで我一行の大勝を祝するが如く迎ふが如し、汽笛一声境を立ち松江に帰りしは8月8日の午後2時半。
嗚呼十有余日の征旅は名誉ある全勝を以て此に終る今宵の夢や如何ならむ。今や孟冬寒気至りて朔風凛冽たる時迫れり、起て!有為の士!!木枯吹き荒む赤山山頂に心胆を練り技倆を鍛へいやましに武徳の光輝かせ!!!