ゆれる

ファミリーポートレイト  ゆれる


「ファミリー・ポートレイト」    桜庭一樹   講談社  ISBN:9784062151320  C0093

「ゆれる」  西川美和  ポプラ社 ISBN:4591093034 C0093


怖いお話2題。
桜庭一樹という作家が書きたい物語はこういうものなのだなと考えながら読む。
作家志望の少年少女がこれを読んだら、「ものかきになりたい」などと口走った舌を噛んで死んじゃいたいような気分になるだろう。
ある意味危険な作品であり、陶然としてその世界へ溶け込んでゆけそうな物語でもある。
それでも太宰治みたいに自己破壊の世界へ読み手を引き寄せてしまうような自虐さがないところが、いい。
若い頃「あんた狡いぞ」と思いながら太宰を読んでいたっけ。騙されてなるものかという反感を心の底に秘めておりやした。
この作家の代表作になるのだろうな。これから先が大変に楽しみ。

「ゆれる」
これが映像になったらどうなるのだろう。って映像の方が先のようですが。
香川照之?という役者さんは今乗っている役者さんの一人であることは存じておりますけれども、迫力ありすぎてまだ遠慮しております。
そのむかし「の、ようなもの」とかいう映画があって、秋吉久美子と共演だったかな。
ちらりとみた顔が善くも悪しくも記憶に残っており。う〜ん、そのうちイメージを革新させるためにも何か出演映画を見るべきかもと云う気がしています。
といいつつ、普段テレビは見ないし。最近「佐々木蔵之介」という時代がかった名前につられてスイッチを入れてみたものの。
どうも出演者の平均年齢に頭がついてゆかなくなって居るのに気がつき愕然とした。
なるほど、年をとると「時代劇」を見たくなるという心理が腑に落ちた。同年代の役者さんが出てきたら「じいさんばあさん」の役ばかり。
加えて若い俳優さんのどの顔見ても金太郎飴で見分けがつかない。よってドラマの筋さえたどれない。
嗚呼、年取ったわけだ。

閑話休題(それはさておき)

本の方に話を戻すと、この本おすすめです。で、映画も多分。


あらしのよるに」の原画展に行ってきました。範疇としては絵本なので児童書なのでしょうけれど、じつは絵の方は「どこが児童書?」というくらいにシュールで、記号化されたとんでもない代物でした(これ褒め言葉)
子供には読ませないでいいから、大人が読んでください。会場でこの物語の朗読?の映像を流していました。これも抱腹絶倒で最高でした。