仕立て屋の恋

皮膚の下の頭蓋骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 129‐2)) 仕立て屋の恋 (ハヤカワ文庫NV)


「皮膚の下の頭蓋骨」   P・D・ジェイムズ  ハヤカワ文庫129−2 ISBN:4150766029 C0197

仕立て屋の恋」  ジョルジュ・シムノン ハヤカワ文庫NV656 ISBN:4150406561 C0197

P・D・ジェイムズはたしか苦手だったかと言う記憶がかすかにあり。
なるほどやはり苦手でありました。面白くて重厚、さすが本格推理の女王の一人であることは間違いなしではありますが。
これ半分純文学、というか教養小説というか、読み手に素養が無いと本当の面白みはわからんかもと云う気がいたしました。
多分むかし齧ってみたときは、モリスだのビクトリア建築様式などに一切興味を示していなかった頃の筈。
今は知識があるか、と言われたら「まだ無い」としか言いようがありませんが、言われている事がかすかにそれらしきみたいなものを感じるくらいの知識は増えた。
う〜ん大御所、さすが。英国本格推理!生半可では太刀打ちできず。迫力負け。

と、もう一冊はこちらは仏国の大御所。
ラブロマンスかと当然題名をみて思っていたのですが。なかなかどうして。
おい、どうやったら30歳でこんなものが書ける、と聞いてみたい。しかも第二次大戦勃発前夜という時期に。
語られるヒトは「仕立て屋」ではないけど映画に準拠して題名がこうなったそうな。
しかしこれを料理して映画に「仕立てる」というひとたちは一体どういうことから選んだのか、そしてその結果はと問うてみたくなる。
これも生半可では読めないおそろしい物語かも。
上記のジェイムズは分厚くで、シムノンは薄い冊子でありますが。

以上2点は「ふるほん文庫やさん」の棚からでした。