メガロマニア

ボーン・コレクター メモリー・キーパーの娘 ダイイング・アイ 猛女とよばれた淑女―祖母・齋藤輝子の生き方 メガロマニア―あるいは「覆された宝石」への旅


ボーン・コレクター」 ジェフリー・デイーヴァー 文芸春秋 ISBN:4163186603 C0097

「メモリー・キーパーの娘」  キム・エドワーズ 日本放送出版協会 ISBN:9784140055373 C0097

「ダイイング・アイ」  東野圭吾 光文社  ISBN:9784334925819 C0093

「猛女とよばれた淑女」祖母・斉藤輝子の生き方 斉藤由香 新潮社 ISBN:9784104678037 C0095

「メガロマニア」あるいは「覆れた宝石」への旅  恩田陸 NHK出版 ISBN:9784140813744 C0095



ボーン・コレクター」は再読。リンカーン・ライムものの第一作。読む端から忘れて行くので都合良く楽しめる
なかなか再読であっても味わい深い。というか原点に戻ってみるとどういうふうに進化してゆくかが解って面白いもんだな。

「メモリーキーパーの娘」は、手ずれのしていない物語を着実に編んだという感じの語り口で好感が持てる。
口コミで結局ベストセラーにまでなったというのには納得するが、さてこの作家次作はいかに?
カズオ・イシグロほどの鮮烈さはないが、手堅い作家にはちがいない。

「ダイイング・アイ」なんでこんなに色っぽい描写が続くかと思っていたら「宝石」連載とのことで納得。
ちゃんと雑誌の要求にも応える事が出来るプロですねえ、東野さん。
ちゃんと謎もおさまるところがまた、いいところです。紹介するならネタバレなしで行きましょうね。

「猛女とよばれた淑女」そのむかし文壇の中堅作家?遠藤周作佐藤愛子北杜夫阿川弘之三浦朱門曾野綾子がテレビで大笑いの対談していたのを必死でテープレコーダーに採っていたのを思い出した。それを上回る斉藤輝子の破天荒な?日常生活。
スケールの大きな方だったんですね。それと同じ位おもしろい北家の事情だった、「楡家の人々」は創作ではなかったか。

「メガロマニア」同じく中学生時代NHK放送の「未来への遺産」を食いつくように見ていたのを思い出します。
この頃ビデオは民間にはありえず。「取材記」を買い求めて嘗めるように眺めていた。現在マヤ文化の専門家の方もこれで其の方面の興味を得たというからきっと、同時代で同じ思いをした人はいるかもしれない。
恩田陸さんも同じだったようで、これも一種のオマージュか。あのころ海外旅行の可能性なんて考えた事もなかった