運動上の注意の5

「その筋の情報」とは何だ、とか人口や死者の総計を示さずに数をしめしてこれこれと言われても困ります。
ところで地域は日本国内でしょうか。
日清日露戦争が終わった頃の事ですから、人口=国力の時代。戦死者の数、病死の数、出生数など公表したら国賊もの。
でも「諸君は歩くにも注意」というのも、どうせよというのかとつっこみたくもなる。
でもインフルエンザには罹りたくないし。今も昔も同じですね。この雑誌と一緒に「疫病」が流行っているという手紙があって、それにより公的機関(学校や郵便局?)も閉鎖されているという記述がありました。
地区が役場に提出した疫病による被害届の控えもあったと思います。いったいどういう「病」だったのか。

要するに汗をかいたら風呂に毎日入れと。なにもまわりくどく説明しなくても普通分かると思うけど。
今回で運動上の注意の項は終了です。
だんだん(出雲弁で「ありがとう」の意)

尚明治34年本県其筋の調査にかかる統計を見るにやはり肺病患者が多数て次は神経及び五管病、発育及栄養的不良病等にして最も少ないのは中毒症のものてあります。
咽頭喉頭、及び気管支加答兒性に罹りて死せる者 男 861人  女 780人
 肺病に罹りて死せる者              男 730人  女 607人
都合即ち呼吸器に罹りて死せるものが前二者を合計すれは男子に於いは1,591人、女子にありては1、387人と云ふ表を現はして居るのであるから諸君は歩くにても注意せぬといけません。


2.2.6 運動後は直に皮膚を清潔に洗雪すべし
運動すると必ず発汗するものにて有。是れを其儘にして於くのは甚だよくない。殊に夏季には一種異様の臭気を発するものて斯る身体をして人に接すると云うのは第一徳育上から曰うても大に忌むべきこととてあつて即ち不礼不尊の徒として濱斥せらるるのてある、
又一つは衛生上より観察しても甚だ害になるから入浴により努めて清潔にせねばならぬ、抑々発汗と云ふものは体温調節上最要の一機能てあつて外国の温度昇騰するときには外皮血管か大に拡張して赤色柔軟となりて湿潤し次て発汗を催しからして之れに依体温を放失して皮膚を冷たくする
又之に反して寒きとき或は皮膚を冷却せるときは血管か収縮して皮膚は蒼白色となりて収縮乾燥して以て体温の消失を減ずる等誠に大切なる機能てあるけれども汗汗は皮脂、塩類、脂酸等を排泄する故是等は大に皮膚を汚す
ものてあるから夏季は毎日入浴するのかよろしい、其他運動に就いては一々枚挙に暇かない程ありますかそれは
次号にゆづるとしませう。