ジョン・デイクスン・カーを読んだ男

ジョン・ディクスン・カーを読んだ男 (論創海外ミステリ)


「ジョン・デイクスン・カーを読んだ男」論創海外ミステリ68 ウイリアムブリテン 論創社 ISBN:9784846007515 C0097


ミステリー好きには見逃せない癒しの一冊。
出来の良い短編集でもあります。こういうジャンルのものを書くには年期とアイデアが必要で、何より必須なのは「無類のミステリー愛好者」であること。出来そうでできない事なのでありました。
後ろの「好事家のためのノート」も合わせてお読みになれば又楽し。といいつつ、名作と言われたものを盛んに読んでいたのはもう30年以上前なのでクロツフなどはもう忘れてます。ブラウン神父も好きだったのだが。

不思議なことにJ・D・カーはうちの親父の本棚にはあまり見かけなかったような。
ハドリー・チェイスダシール・ハメットエリック・アンブラーほかハードボイルドの方に傾いて行っていたのかもしれない。はじめは創元推理文庫でしたが、のちに早川文庫で出るようになってからは親子で買って回し読みしてました。
親子の会話なんてなかったが、唯一の共通点だった。
暫くたって私の本棚見て「こいつの趣味は理解出来ん」と言ったらしい。FTありSFあり、源氏に漫画に芭蕉遠藤周作有吉佐和子、核物理、天文、精神病理にホロコースト、ミステリにアンデルセン、グリムにシェクスピア、ストリンドベリサリンジャー、そのあいだにペーパーバック、古代文明ほかほか。たしかに理解出来なかったろうとは思う。