明るい方へ

明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子  アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝


「明るい方へ」父・太宰治と母・太田静子   太田治子 朝日新聞出版 ISBN:9784022506344 C0095

「アップルを創った怪物」もうひとりの創業者、ウオズニアック自伝  ステイーブ・ウオズニアック  ダイアモンド社 ISBN:9784478004791 C0034

「そこまでして作家になりたかったのか」という一節がある。
太宰治という作家のつかみ所のない矛盾した部分を、余す事なく描いた評伝。
太宰治はたしかに文学青年の伝説にはなったが、作家として娘は父を凌駕した。
佐野洋子の「シヅコさん」と並べてみたい一冊。あちらは母、こちらは父。
若い頃通過儀礼のように(通過せずにとどまってしまう奴も居るが)かならず一冊は読む太宰という作家。
読んだ事のある人も、ない人もこれを読んで欲しい。人間というものがどういう一面を持っているかを語る目から鱗本でもある。

元祖オタクというべきか、あれよあれよと言う間に億万長者(それ以上だけど)になってしまった、アップル創始者の一人へのインタビュー。
理科系でないので、説明されてもわからない処はすっとばして読んだが、技術オタクに徹している分話はかなり面白い。リナックス創始者?と似通っている性格。こちらの方が多分に社交的ではある。
しでかす「いたずら」も度がこしているというか、訴訟ものすれすれ。その武勇談もまたすごい。
こういう人種?って世の中にいるのか、と感心する。日本ではちょっとみかけそうにない。
要するにある程度までゆくと発想の転換なのね、とまあ多分あたっていないことを言ってみる。