制服捜査

制服捜査  帰らざる荒野  山で暮らす愉しみと基本の技術


「制服捜査」1   佐々木譲 新潮社 ISBN:4104555045 C0093

「帰らざる荒野」1   佐々木譲 集英社 ISBN:4087746119 C0093

「山で暮らす愉しみと基本の技術」   大内正伸   農文協 ISBN:9784540082214 C2076


日本でハードボイルドを書くとなると、こういう設定にならざるを得ないのかなという気がする。
基本的にこのジャンルには詳しくない。大沢在昌とか読まないし。大藪春彦はその昔角川映画の原作になった時(ええと名前が出て来ない←「汚れた英雄」)読んでは見たが、生臭すぎてというか女性蔑視もいいとこの書き方で懲りた。
映画は草刈正雄がかっこ良かったので良かったけど。
佐々木譲は、その点過度の生臭さがなくて助かる。
「制服捜査」は「暴雪圏」に出て来る駐在さんが赴任したての頃を描く連作集のようである。
機構改変の都合で別の畑の刑事さんが駐在にとばされた(こういっていいのか?)という経歴で、犯罪に対しては容赦ない姿勢をとっている。なあなあですましたりしない、というところで話がすすんでゆく。
こういう生き方もありか、と楽しめた。
「帰らざる荒野」は、これは明治期から三代にわたる蝦夷地に入植して牧場を経営する男たちの連作集。
ハードボイルドにもっとも近い、という感じ。
ずっと佐々木譲は警察ものしか読んでいないというか、今の所他のものに手を出す予定はなし。というところでちょっとこの選択は自分的にはずれていた。

「山で暮らす愉しみと基本の技術」は、間伐の仕方から石垣の組み方、囲炉裏から、山水の浄化と引き方など読んでいて楽しいイラスト付きの本。こういう風なものは好きなのだが、実際に山奥で暮らすというのとはまたちがって当然。
というより、まず経済的側面で挫折というのがあるなあ。つぎに基礎体力。
とりあえず石垣積みは役立ちそう。(何の??)

ジェフリー・デイーヴァーの「The Cold Moon」は邦訳「ウオッチメーカー」だと今更のように気づく。
やれやれ。次に読むなら「The Boddies Behind?」に決定。決心するまでに新作がでているかも。それもまたよし。