曲がれスプーン

刻まれない明日 曲がれ!スプーン (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)


「刻まれない明日」 三崎亜記 祥伝社 ISBN:9784396633226 C0093

「曲がれスプーン」 上田誠 早川書房 ISBN:9784152090775 C0093


三崎ワールドを確認する為に何度かこのシリーズを読み返さないといけないようである。
この本の一節の「七階は撤去された」で、この物語が同じ世界で展開されているらしいことに気づく。(廃墟建築士との関連)。何度でも読んで楽しめるという保証ができたと思えば嬉しい限り。恩田陸の常野物語の世界を思い出すが、この作家の描く世界はそれよりも冷徹というか硬質な手触りがある。
いずれにせよ、先行きが愉しみな作家。最近、自分の趣味が余程限定されてきているというか興味が縮こまってきているのをひしひしと感じる。本棚の前に立っても眼をやる部分が決まって来ている。費やすべき時間が限定されているのだからその選択は必然ではあるのだが。
本の中身は問題ないが、この本の装幀に問題有り。確かに使用している写真作家の画像も美しく、題字も凝った物である事は認めるが、致命的なところで間違っている。本の背表紙の下部に題字を持って来ている。そこは図書館の場合「ラベルを貼る場所」です。よって、図書館での使用者には「題字が読めません」=「本を認識できません」。これ、致命的です。現に「三崎亜記」で検索ののち該当の本棚を眺めても一度目は完璧にスルーしました。二度目でやっと気づいた。
(なんかみかけない色の背表紙がある→あ、これだったのか)
写真画像が明晰すぎるのか金文字が目立たなすぎるのか、表表紙を見てもちらちらして題字が眼に入りません。
眼の良い人なら見えるかもしれませんが、眼の悪い老人だって三崎亜記は読みたい!蒐集家相手の私家本作っている訳ではないですよね、売る為にでしょう?気づいてもらうのが基本かと思いますが、いかが。裏表紙のバーコードは白抜き枠ではっきり見えます。デザイン的に美しくないと思われても、機能優先して欲しい。

まあ、これを「ワースト」というには、もっとひどい本を最近みかけたのでそこまでは言いませんけど。それは、すべて「純白」の本。押し型?だけ。確かに目立つが、背表紙を30センチ離れて眺めたら何も読めない。ためつすがめつ、七色に反射する表面を傾け傾け漸く題字が読めた(笑)
さっさとどういう題目の本かも忘れましたが、手に取る以前の問題。同じく白っぽい本で梨木香歩さんのがありますが、あれはちゃんと読めます。だから、問題は装幀側の配慮にある筈だ。背景が真っ黒で題字が無茶苦茶小さいポイントという、そういう本もたまに見掛けますが、そういうのは初めからスルーします。趣味が合わない絵柄でも、そういうタイプの装幀よりは余程マシです。(といいつつミレイのオフィーリアの画像をぶった切って貼付けた本には憤怒の念は抑えられぬ)

「曲がれスプーン」
ハヤカワSFシリーズJコレクションの第一冊目?折よくこれを原作とした映画も公開中。読んでみて楽しいシナリオ。この舞台観てみたいですね。おなじく「サマータイムマシン」?のシナリオも収録。タイムマシンものなので頭の中がぐっちゃぐちゃになりました。爽やか青春の一コマ。なるぼど、これも映画化されていると。
小劇場系の演劇を観る事の出来る環境が欲しい!(否、欲しかった!と、過去形)今更無理だわなあと諦めの境地なり。贅沢つうもんだろうか。TVさえもまともに観ている時間が無いのだから仕方ない。そういえば数日前「ダーテイーハリー」をやっていたのでちょっと観た。筋を完璧に忘却しているのに気づく。イーストウッドかっこいい!痺れる…加えて画面運びのキレの凄さ、改めて
毎週木曜日のコロンボ刑事だけは観なくてはと努力中。