7号 野球大会の1

さて今度は野球大会です。ええと野球に関してはほとんど無知ですので、競技者の守備名がよくわからず。ともかく、クラスマッチということで楽しく和気藹々とやっておられます。言葉使いだけ読んでいたら結構物騒な感じもしますが。

5.2 野球部報  魔球生
花柳芳州十日晴。五更風雨送残春。莫嫌紅紫都吹儘。新緑満園還可人。と春の血脈は其行動を没し、吾人の生気日に耗し去らんとする頃日、見ずら嘗て五楼城下に破れて、落花の吟を賦せし一高軍は、アマチヤの赤髯をスコングゲームに破り、再び本郷臺のグラウンドに、ケンタツキーの碧奴を破る。何ぞ我当の健児黙々として独り、髀肉の嘆を叫ばんや、終に、クラスマッチを挙をなして聊さか千秋の嘆きを癒す。


5.2.1 四二連合軍対三年軍試合
見よ、4月28日午後2時半、劈頭第一、此の活劇ははしなくも、校庭に演ぜられぬ。

審判者、高橋慶太郎氏。
   紅軍(連合軍)    白軍(3年)
P    小豆澤  聞一   片山 篤郎
C    小畑 義行    荒木 猪之助
SS    島谷 清見 2年  米原 常一
1B    山本 清     中倉 梅市
2R    岩田 知締 2    坂本 長三
3B    川角 敏     石原 正治
RF    武良 定雄 2   廣崎 磯治郎
CF    和田 宗義    廣江 兵一
LF    千家 松麿 2    尾関 才吉

両軍入り代り代り隙もあらせず打ち守る、刀の響いざ記るさん。
第1回 紅軍先づ攻めて1点を得、白軍得る所なし。第2回。紅2点、白1点、3年の若殿原顔色近頃以て若葉の時節御病も癒えたりけん。第3回赤1点に対する、白5点とは悄々溜飲の下がりし次第なりけり。第4回紅3点と白2点第5、6回紅軍衝天の志気を以て、白雲を乗取ること5点さるに之に反して白0とはまるで情なし。
七たび生まれて敵を打てとや、ここ第7回に白軍さっと旗おし進むれば、紅軍ややたぢろく所を、撃てやこらせや者共と、打ちに打ちたる球や霰とふらしつつ敵塁をほふること7点紅軍得る所僅かに1点。第8回紅軍の武者振り甲斐ありて白軍を○撃すること5点、白軍ここに至りて巧技とみにくづけしか、得る所ただ3点第9回紅白共に生きて還りし者はなかりけり。総する所紅軍18点白軍17点。遂に白軍敗る。