7号 野球大会の4

7号の野球大会の項は今回で終了。あとは柔道大会が残っています。
苦労した割には短い掲載量。なんだかなあ。慣れない事で、手探り足探りであります。
次はどうする。気分委せで撰んでおりますので別の号へ飛ぶ可能性も。一段落であります。

5.2.3 寄宿軍対一二年連合軍試合

   白軍(寄宿舎)   紅軍(1、2)
P   武良 定雄   山根 由信 (1)
C   荒木 猪之助  伊藤 百世
SS  坂本 長三    松井 節
1B  高橋 精一   島谷 清見
2B  三島 盛之助  岩田 知締
3B  石原 正治   千家 松麿
RF  吾郷 権吉   山本 徳二郎
CF  木村 堯人   久保田 甲一 (1)
LF  億野 常一   香川 敏徳


皐月闇、風雲暗澹として前両度の試合後、健児の熱血未だ凝りやらぬ二本松の戦場、再三龍翔虎憤の猛勢を見んとす、抑も何等の軍勢ぞ、そはかつてひけを取らざりし二年の若武者、血気にはやる一年の兵共を引き具しつ。白の軍勢も、彼れ劣らぬ陣構ひ、我こそは島根第一中の寄宿舎軍、かねては萎微??燥せしも、今日こそはと名乗りたるこそ殊勝なれ。

沃雲既に現はるや、第1回紅白両軍互に一点を得、第2回紅軍やや其旗色を得て2点、白軍零。第3回紅群1点白軍2点。互に劣らぬ兵共は未だ其の意気を揚げず。第4回両軍得る所なく、紅白旗翻へる所、軍勢簫又簫第5回に及ぶや、白軍大旗を擁して敵の本塁を衝くこと4点、赤ややひるみしか得る所2点。6回又もや川中島の対陣、蕭々として零。
7回山根美事に C の為めに2塁に埋られ、生きて還るもの僅かに1点、白2点を得て勢益々猖獗。第8回赤零なるに反して白の三島熱球を LF ー BF に走らせしを始めとして得る所3点。終に連合軍7点に対する寄宿舎軍12+ X にて凱歌は南寮、北寮の夕を賑はしめぬ。されど寄宿舎軍の、スリーストライク12とは、錯愕驚到呆然としてなす所を知らずされば猶ほ萎微の状体なりや。

巌頭の獅子、沙漠の鷺、それにも似たる物共の何条細微なるクラスマッチに勃然たる意気を癒し得べき、来れ我が校、剛毅の健児、来ん天遠く、江長き時、懸軍長駆して中国山脈を越えんとす、そも何れの方向ぞや、見よ、奈翁のアルプスを越えしそれにも似たるかを。
殊に、島根新報社主筆高橋慶太郎氏は、炎塵礫地、熱球飛舞の間、舌を爛らし口を焦して審判の任に当らる、聊 か末紙に記し、野球部一同に代りて、ここに氏の厚意を深謝す。