小暮実千代

木暮実千代―知られざるその素顔



「小暮実千代」知られざるその素顔  黒川あつのぶ NHK出版 ISBN:9784140811948 C009


こうなると性分というよりも病気のような気がする。たまたま時勢と映画界が彼女を必要としたという偶然。ここまで落ち着けない父娘にその夫というのは、読んでいるだけで疲れる。ほとんど多動症。こういうひとも世の中にいるのだと、まあ感心する。男所帯もいいところの映画製作現場という話は、田中澄江?のホンにもあり。旅館に泊まり込んで脚本を手直しする現場は、半裸の男等と同席せねばならない苦痛に満ちたものであったとか。
以前この著者の「神楽坂ホン書き旅館」を読んだ事が有る。どっちが正編、続編というわけではないがどちらも面白い。旅館の女将であった敏子の出生のいきさつが書いてある分こちらの方が飲み込みやすいが、「神楽坂」は「エッセイ賞」とっただけあって取っ付きやすい。昭和初期から戦後10年すぎくらいまでの日本映画界の雰囲気や綺羅星のような監督陣のことが書いてあるから映画史としても貴重。 著者は小暮実千代の姉の息子(すなわち甥)にあたる。文章の運びが巧くて飽きずに読める。数奇な家族の物語という意味でも飽きさせない本ではある。(佐藤愛子の「血族」みたいな)

「県庁の星」DVD見る。
数年前よせばいいのに正月から「原作と映画とどっちがより面白いか」ときょうだいと争論?になった問題作(笑)奴がこだわった訳がわかりました。と、同時にこちらがこだわった理由も自ずと知れて来た。若い娘出さないと映画の目玉にならないから、柴咲コウは避けられず。というので原作の毒気がかなり抜けた。じつをいうと、キャバクラ?の件楽しみにしていたんだが。
ネクタイの趣味が悪いのか佐々木蔵之介のスーツ姿が決まらない。最近の髪型の方が似合っているし若く見える。水のように何色にも染まる不思議な役者。目立たない時は徹底的に目立たないというのは有利か、不利か。「椿三十郎」でやはり織田裕二と共演、これで見初められて「間宮兄弟」で主演?役者の仕事というのはつながるものらしい。

そういえば、一昨日のコロンボ刑事はロバート・カルプ?だった。自分って昔からえらく渋好みだったらしい。かなり魅せられた覚えが有る。今回は映像作家で、なんとか効果(忘れた サブミナルだったか)を利用した殺人。2月に入ったらコロンボ刑事週間だそうな。今から楽しみである。「別れのワイン」は大脱走にでていた(文書偽造の)青い目のつるはげ(ひどい!)のおじさんだったよね、多分。