じょろうぐもの ことわり
「魍魎の匣」(もうりょうの はこ)上 京極夏彦 講談社 ISBN:4062751135 C0193
「魍魎の匣」中 京極夏彦 講談社 ISBN:4062751127 C0193
「魍魎の匣」下 京極夏彦 講談社 ISBN:4062751119 C0193
「特殊遊撃捜査隊 TOKAGE」 今野敏 朝日新聞社 ISBN:9784022503879
「果断 隠蔽捜査2」 今野敏 新潮社 ISBN:9784103002529 C0093
「鉄鼠の檻」(てつその おり) 京極夏彦 講談社 ISBN:406181883x C0293
「絡新婦の理」(じょろうぐもの ことわり) 京極夏彦 講談社 ISBN:4061819321 C0293
やはり京極夏彦は分冊で読むのは御薦め出来ない。せめて上下巻にして欲しい。でないと中まできても謎解きにならず、途中で挫折すると意味不明。下巻ですべての謎が解き明かされ、ってもとにもどるって、わざわざ上中探してめくるのもなんだかなあ。いやいやともかく「もうりょうのはこ」は絶品だった。増殖するイメージといいまとまりといい雰囲気といいバランスがとれている。基本的にはグロテスクなんですけど、まあそういう嗜好のかたには絶品である。美しい。
今野敏読み尽くし企画、その2。トカゲは、「誘拐」犯罪に特化した課のバイク機動隊の名前。うまいなあ。「果断」は山本周五郎賞受賞作とか。隠蔽捜査の主人公が署長に降格人事で赴任、という設定。これはシリーズ化するのだろうか。完成度が高いので、無理にする必要はないし多分できないだろうが、本当に見事な展開で作家の巧さが生きている。日本の刑事物が好きな方には絶対お勧めの作品。
「鉄鼠」はその昔既読の作品。といっても、大したことは覚えていない。ちと仏教関係の蘊蓄というか問答が面倒だけれど、なかなか面白く読めた。以前は厚さがちょっと苦痛だったけど、こっちの心境の変化というか榎木津を追って読み進めるとそんなに苦痛にならず。
「絡新婦」は多分昔途中で挫折したと思う。題名だけは覚えている。今回は一気読み(といっても二日かかった)できた。
登場人物を覚えたというのが、勝因?のひとつかなあ。作品の進め方の形としては京極の典型。この作品のイメージ展開はたおやかな感じで、自分の好みのランク付けをするなら「魍魎の匣」と並ぶ。
というわけで、京極堂メインシリーズは読了。ああ、やっと京極夏彦という「憑物」が落ちた。たしか新作は皿屋敷の話だったっけ。しばらく「京極夏彦挑戦企画」はおやすみします。