新・幻想と怪奇

どすこい(仮)  戯曲 半神  新・幻想と怪奇 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1824)


「どすこい(仮)」(どすこい かっこかり)  京極夏彦 集英社 ISBN:4087744140 C0093

「戯曲 半神」新装版 萩尾望都原作・脚本 野田秀樹脚本・演出  小学館 ISBN:4093871965 C0093

 「新・幻想と怪奇」  ローズマリー・テインバリー他 早川ポケットミステリ1824 ISBN:9784150018245 C0297


いいのか、ほんたうに良いのですか?と尋ねながら「どすこい」。あまりに面白すぎるぢゃないか。でも京極夏彦のイメージはどうなる!さすがに榎木津のキャラクターを産み出したお方だけ有ると感心至極。目黒考二氏が絶賛してたような記憶があるが、それにしても。本家本元を読んでいればもっと楽しめたかもとも思うが、そこは関係ないのかもしれず。小野不由美の「死期」(あ、いや「屍鬼」)は読んだがどうも関連づけるには無理があり。頭の中がうにゃうにゃになりそうな感じである。ただし此れを「頭捻り」(ずぶねり)とは自分は言わない。別物だろう。最後に言ってやりたいもんだ「読者を馬鹿にしとんのかあ!」お手並み御見事でありました。ごっつあんです、と思わず言いたくなるんだよなあこれが。くそお。
(註:京極ものはお休みと宣言したが、宣言したあとで既にこれを借りていたことに気づいた)

萩尾望都さんとの対談あり、興味深し。若いなあ野田秀樹。当たり前だけど。友人から演劇関係のDVDをお借りして見ているのだけれど、往年の上演ものばかりなので出演者が若い時のもので余計に嬉しい。解説の三谷幸喜がまだ「青年」という雰囲気を残していたりして、はっとする。野田秀樹に至っては動きと理念が最高潮でバランスのとれている時代(今どうなのか見ないから勝手に言う)で、剃刀の刃のような恐ろしさが「解散後全劇作」なんぞを読んでいても感じられ。で、「半神」の話に戻るとこの本は1987年の発刊。新装版とあるから前にも出ていたのか。野田秀樹のワークショップとかいう話をちらと見掛けたが、稽古の中にはダンス教師による「タンゴ」の練習もあったのか。役者というのは体得しておかねばならないものがある意味無限にあるのだろうなあと考えさせられる。そういえば落語家も素養として日本舞踊を習うとかあったけど。(「赤めだか」談春

「新・幻想と怪奇」
申し分ない短編集。このタイプの話をお好みの方なら、決して見逃されることのなきようお勧めの一冊。


あったかいのだか、寒いのだか分からなくなりつつある此の頃。
そういえば、どこかの店先にウンカが群れておりました。もう、そういう季節か?