向田邦子シナリオ集

拮抗 (ハヤカワ・ノヴェルズ) 一話完結傑作選 付全作品解説・年譜―向田邦子シナリオ集〈6〉 (岩波現代文庫) 文庫版 今昔続百鬼 雲 〈多々良先生行状記〉 (講談社文庫)



「拮抗」Even Money デイック・フランシス&フェリックス・フランシス 早川書房 ISBN:9784152090980 C0097

「一話完結傑作選 向田邦子シナリオ集6 岩波現代文庫 文芸149 岩波書店 ISBN:9784006021498 C0195

「今昔続百鬼 雲」 京極夏彦 講談社文庫 ISBN:4062754207 C0193

みつけたら読まずにいられない因果な業。ま、いいか。ということで大いに楽しみました。
次男との共作の3作のうちでは一番面白かった(失礼?)気がします。いらぬベッドシーンが無かった分自分的には評判良し。祖父にしこまれた個人営業ブック・メーカー(競馬の賭け屋)である主人公。両親は交通事故で亡くなったと教えられて祖父母に育てられたのですが、 突如「私が父親だ」という男が現れ。なんと詳しく話をする間もなく目の前で刺殺されてしまう。「金を出せ」と父親に言ったその男はしかしただの強盗とは思えない。というので、躁鬱病で入退院を繰り返している愛妻を気遣いながら主人公はその真相にせまってゆく、というお話。個人ブックメーカー業の裏側など、興味深い知識満載。フランシスらしい一冊となりました。当然ながらおすすめできる一冊。う〜ん、D・フランシスの新作をもう読めなくなるのかあと寂しさを感じます。

向田邦子のテレビドラマの一話完結シナリオと、何と浅丘ルリ子のDJの下書き?年譜がついています。東芝の日曜劇場のシナリオが大半です。既読のものもありますけど、さすが巧い。思わず泣いてしまった。それとダイヤル110番という30分番組のシナリオ。今回発掘された貴重なシナリオです。いろいろ感じるところは有りますが、言葉にする程のことでもないというか曰く言い難し。あの事故がなければ現在どんな風になっておられたか、と意味も無く考えるのみ。

京極ものは今回「多々良先生」ものです。 これも、へん。あれも、へん。といいつつ読み進む愉しさよ。

ハリーポッターの1、2作のDVDを観覧。おお、結構面白いかも。
第一作にはいろいろいちゃもんつけたくなりましたが、第二作のほうは面白かった。

BSのコロンボ刑事は「美食の報酬」?むちゃくちゃ美味しそうな料理にお菓子ばかり出て来てまいった。鍵になる日本食の握り鮨はちょっと違うんでないの、という感じもしたし芸者さんがギターみたいな三味線の弾き方していて笑えた。ふぐ刺しはさすがにそれらしい盛りつけだったけど、基本的にサーブする女性が大皿片手に持って「これいかが?」とする仕草は違和感少々。

なるほど「仕草の文化」というものはあるわけで、ぜったいにネイチャーはやりそうにないというという確信させる部分というか、民族的?「肌合い」というのはあるものだなあと感心する。こういうところで違いを感じるわけだ。真珠湾攻撃を舞台にした外国映画らしきものを電気量販店で見掛けたとき、なぜか海軍の会議室の机の天板が竹の簾だったり、大本営だと思うのだがそこの門が「ベンガラ塗の鳥居」だったり、まともな日本文化の考証人つける予算もない「超大作」だったのかよと内心突っ込んだことがある。コロンボ刑事は確かにずっと昔の製作だけど、この映画より二倍も三倍もちゃんとしていたと言えそう。