覗き小平次

ソウル・コレクター  覘き小平次



「ソウル・コレクター」The Broken Window  ジェフリー・デイーヴァー 文芸春秋 ISBN:9784163286600 C0097

「覗き小平次」(のぞきーこへいじ)  京極夏彦 中央公論新社 ISBN:4120033082 C0093

調子こいて一日で2冊読んだら眼がおかしくなった。年寄りの冷や水というのはこういうことか(違うかも)。
とりあえず大筋はちゃんとペーパーバックで掴めていたので、読む速度が速かった。そのうちもう一回読み返すかもしれないが。でも、やっぱり英語と日本語とでは微妙に語感がちがうもんだなあと感心。それほど読解力はないのだけれど、犯人の独白なんか不気味さがわけわからない分勝っていました。一冊で二度美味しいのだ。また、題名の付け方もやはり日本語と英語では発想からして違うかもしれないと考えさせられた。今読んでいる「The Bodies Left Behind」なんか邦題として訳そうと思ったら凄く難しそうだ。正確にはどういう訳文になるのだろうか。

まったくあたっていないかもしれないが(Theがあるので)、自分的にしっくりくるなら「屍体をあとにして」しかない。
要するに事件の現場である別荘を起点にして、主人公と犯人たちが攻防を繰り広げながらという感じで今の所話が進んでいるので。英語には主語がかならずあって、日本語には必ずしも必要ではないというけれどもこういう風に主語なしでぽ〜んと投げられるとあたふたしてしまうところが可笑しいなあとも思う。文学的素養がないので、ひょっとして何かのもじりなのかもしれないけど。とまあいろいろ関係ないことを考えながら読んでいたりするのであった。

京極さんのは、江戸川乱歩岡本綺堂をお鍋の中にいれてぐるぐるかき回してできたような作品だった。いわゆる「伝奇もの」。おもしろいテイストである。小平次をどうみても好きにはなれないが、しかし…面白かった、と芸の無い感想なのである。一晩で読んでしまったというから他の作品よりは多少読みやすいと言えるか。

オープンになっている車庫の車に薄く埃がのっている。黄砂かな。この数日夕日が黄色がかっていたし。あしたは、雨。かぜが生温い。

所用があって街に出たらとあるビルで知り合いに遭遇。数年ぶり。声はかけなかったけど御元気そうな感じでよかった。
お昼前でビルの一階にある食堂のまえでメニューを同僚の方とにらんでおられた。そういえばこの建物の中にはいっている事務所で御勤めなのだった。
手持ちの本が終わったので、またペーパーバックに戻る予定。