告白

告白


「告白」  湊かなえ  双葉社 ISBN:9784575236286 C0093

ほとんど「パーフェクトなお話」。インパクト、話の進め方、文章の巧さ。これを「ラジオドラマ仕立てで聞きたい!という思いに駆られるが、もうあるのかな?シャーロック・ホームズの上映前の予告編で見て、これだけ話題になってるからまあ一応読んでみるかと手に取ったら一気に読んでしまった。なるほど、評判になって当然の出来である。余りにリアルすぎて、まあ現実にこんな「一人語り」でしゃべりが出来る訳ではないもののそんなことは気にならないくらいに面白かった。
相当この作者意地が悪い人なのではないかなどと、わけのわからんことも考えたりする。「いきなり出て来て名人!」とは向田邦子への賛辞だったか。それに近いことばを捧げたい。かといってファンになれるかどうかは別物だけど。あり得るけれど、登場人物に共感出来たらそれはそれで怖いモノがあり。「登場人物が誰もワタシがわるかったと反省しない物語」という風に言ってみましょうか。

今年は連続して暖かい日が続かないせいか、花の見頃が長くつづいている感じがする。今週も十分にお花見の出来そうなくらいに桜が散らないでいる。花芽が今年は多かったのでどこの桜も満開のまま夜の闇のなかにボウと佇んでいる。花の精でも出てきそうな雰囲気である。これがちらちらと散り始めたら凄い桜吹雪になるのだろうなあ、とこのところ眺める毎日。