魔法の館

魔法の館にやとわれて―大魔法使いクレストマンシー



「魔法の館にやとわれて」Conrad's Fate  ダイアナ・ウイン・ジョーンズ  徳間書店 ISBN:9784198627423 C8097

クレストマンシー・シリーズ。クリストファーが14才頃の話。
といっても殆ど内容を忘れてしまいましたので、クレストマンシーは多分はじめから読まないといけない状態。
とりあえずこの続きの時代の本で新刊「キャットと魔法の卵」をとりあえず読んでから、ふりだしに戻るのがよかろうかと考えております。
大体の設定は頭に残っているのでそこのところをふまえておけば、順番にはこだわらずにそれなりに楽しめるジョーンズです。
ファンタジーとしては突出した設定ではなく他の作家が書いたら何の変哲もないようなお話が、この人にかかったら全く凡庸でないお話に変わってしまうという全くそれこそ魔女のような作家です。
読んでいて楽しいファンタジーというのはありそうでなかったりして。
結構長編シリーズものなどは深刻に主人公が思い悩んだりして遍路歴程艱難辛苦に陥ったりするのですが、彼女の場合はその心配だけはない。かといって軽薄に流れている訳でもなく。
ビアズ・アンソニイと並んで安心して読めるファンタジー作家のひとり。

この数日の雨で散った桜の花びらが舗道に貼り付いています。これから一気に新芽の季節に移り変わるでしょう。
「山が笑う」と表現するのでしたか。それはそれで体の変調を来しそうな季節ですが。