くちなしの花

渡哲也の唄った歌を思い出してしまうところで年齢が分かる。この時期なんですね、街路樹というか花壇植え込みに細い花びらタイプのクチナシが咲き誇っている。
金木犀ほどには頭が痛くはならないにしろ、ふと気づくと香りが…

嫌いではないけれど…否好きなのだろうなあ、よくわからず。
高校のころ幅の広い分厚げな白い繻子のような花びらを本の間に挟み込んだ記憶がいつも浮かび上がって来る。なぜなのか何処が特別なのか自分でも分からないのだが。
ただただ憂鬱な毎日だったが、母も元気で居たころだったなあと、そこはかとなく思い出すともなくいつも考える。
香りと、多分この花を油絵に描きそこなった悔いでもあるのかもしれない。できればクレパスで描いた方がこの花のタッチには似つかわしいのかもしれない。風情があるのかないのか、描きにくい木ではあるような。


この香りを嗅ぐと「今では指輪も回る程」と言う歌詞ばかりが頭の中にぐるぐるまわるところがこまったところで。いや最近太っちゃって回るどころか抜けなくなっているんですけど…
というオチなのだった。まったくいつもこの歌を想起する度に、自責の念がおきるというのが更に困る。