出たとこ委せ

小学校低学年の頃から、家を追い出されたらどうしようかと怖かった。異常に心配性の子供だった。加えて神経症で、いわゆる「心臓神経症」なる病名を行きつけの小児科の先生につけられた。(パニック症状。動悸。冷や汗。呼吸困難)
要するに異常に恐がりで心配性で、ネガテイブな小学生だったわけで(笑)


ちゃんと生きて行けるだろうかとか、金を稼げるだろうかとかずっとその恐怖にさいなまれて「夢」なんぞみたことがなかった。やってみたいことがあってもそれが「実現出来るか否か」と判断した時点であっさりみんな切り捨てて来た。第一義が「生き延びること」だったから。


でまあ、そろそろこの年になって思うのだ。「もうこの年まで生きて来たんだしさあ、なんかやりたいことないわけ?」って。よく言うことだが「人生一度きり、ここまできたら恥をかこうが誰が何と言おうが、輪廻転生あるわけじゃなし。もうこれから出たとこまかせでいいんじゃないの。」
そう思えるようになったら、人生楽になった。いやなことは嫌、嫌いな人は嫌いだとはっきり自分に(人に向かって直接いうとまずいけど)言えるようになった。やりたくないことは押し付けられてもやらない。


「出たとこまかせ」は楽だ。バスに遅れれば一本後にすればいい(って1時間先だけど)。それで殺されるわけじゃない。それで死ぬわけじゃない。年とっていいことだってあるさ。