音楽と病

音楽と病―病歴にみる大作曲家の姿



「音楽と病」病歴にみる大作曲家の姿 ジョン・オシエー 法政大学出版社  ISBN:9784588410215 C1073

音楽に関しては門外漢。従って名前は知っているがほとんど曲の題名を聞いても何も想起できない。そういう人間でも面白く?読めるのは、彼等の病歴とその治療法(有効だったかどうかは関係無し)が即そのまま「医学の経歴」であるからである。
結構このころは「解剖」がされていたのだということがよくわかる。ジョン・ハンターの名前が出てくるのは半ばくらいだから、あるいみ盛んに(しかし密やかに)行われていたらしいと想像できる。が、それが研究的に非常に有効であったかどうかは又別。当然ながらというか解剖しても「その臓器の呈する変化の意味」が確認できねば成功した、ということは難しい。

当時の治療と称する服薬による「水銀中毒」という副作用?が主原因で苦しんだあるいは死に至ったとか、梅毒、結核チフスなどなど当時のほとんど致死的な病気が列挙されることになっている。加えて観血的治療(=手術)の様子など。
衛生観念というか感染症についての防止策が敷衍されていなかったために、感染症により病状悪化など。読めば読む程、悲惨な症例をみるわけで、当然出て来る人々は皆死に至っており。当たり前のことだけれども。


ふと年代を見ると、それらはそんなに遠い昔ではなかったのだということに気付き愕然とする訳だ。ある意味「病気」と呼ばれるその症状のために演奏家の体は変形し、演奏に特化したからだとなりそれが超技巧を産み出す。
躁鬱や病気による憂鬱は作曲家の精神を蝕み、それを昇華することで名曲が生まれる。
曲は人なり。しかし、病は人なりとも言える。なかなか奥深い本でした。


Roadside Crosses
ダンスが専門家の助けを借りて、ゲームの中でアバターとして容疑者に接触RPGゲームでセカンドライフ的な世界だが、相手を倒して「追いはぎ」することでポイントを得ると言うものらしい。声をかけた途端にばっさり殺されるダンス。おいおい、というか、RPGってそういえば出会う奴を倒して点を稼ぐのが基本ではあるが、そう考えるとものすごく物騒な世界なのだということを思い知らされる。
これってまずいんじゃないか、と今更のように…
リアルと幻想が入れ替わる。ひょっとしてそれは容易なことなのかも。と、つぶやいてみる。