モダンタイムス

闇の聖杯、光の剣―北斗学園七不思議〈2〉 (ミステリーYA!)  モダンタイムス (Morning NOVELS)



「闇の聖杯、光の剣」北斗学園七不思議2  篠田真由美  理論社 ISBN:9784652086223 C0093

「モダンタイムス」  伊坂幸太郎 講談社 ISBN:9784062150736 C0093

「あの篠田が今度はライトノベル!いったいどれだけ守備範囲が広いわけ?」と驚いて手に取った。
よくよく読んでみると、「OUT」や「仮想儀礼」の篠田節子ではなく、篠田真由美でありました。建築探偵シリーズに一度挑戦したがなんとなく挫折。今回はちゃんと?読みましたがこれはシリーズ第2作め。
はじめにみつけたのが第3作目だったのでありまして、第1作目はとりあえず見当たらず2作目からということにして。
ははは、こういう荒唐無稽的な冒険譚は最近では恩田陸の学園ものか小野不由美とか桜庭一樹(読んでいないけど)くらいしか自分は思い当たらず。滅多に読まないので毛色のちがった面白さがありました。

荒唐無稽といってもあんまり酷いと遊べない世界ですが、この作家さん「ま、いっか」という程度のところで納めているところがお上手です。キャラも立っているし、こりゃあどこかで第1作目から読まないと。夏の読書感想文対象には逆立ちしてもならないので、ご注意。面白いから別にかまいませんが。

「モダンタイムス」
伊坂幸太郎の作品にはカタカナ題名がいくつもあって、覚えていられない。イメージが定着しないのだなあ。今回は「ゴールデンスランバー」と同時に書いていた物語だけあって、同じような管理社会(並行世界とかいうんだっけ?)の物語。徴兵制が定着した21世紀の日本なのだが。チャップリンの映画「モダンタイムス」にひっかけたところの主題なのは明らかだが、さて今の三十代以下の人たちで理解出来る素養のあるひとはどれくらいいるかしらん。世代には関係ないかもという気がしなくもないが。
エンターテイメントでありながらとても深いお話になっているのであった。