攻殻機動隊

劇場でいきなり見たのが「イノセンス」。何故見る気になったのか覚えていない。変な雰囲気でやたらと凝っているけどほとんどマニアックという感じ。以来見る機会も無く出会わなかったのだけれど、動画で見始めたらすっぽりはまるという感じではないがやめられなくなった。
作成の都合もあってか「脳内通信」の場面が多く、静止画像が多い感じで「たまに動く紙芝居」みたいな感じがあったのだけれど、Ghost In The Shellは流石に劇場版だけあって丁寧なつくり。眼が離せないために眼精疲労を起こしそうになった。動画にはアップされてないもの。ちょっと得した感じ有り。
廉価版が出ていたので、ということもあるが最近には珍しく購入。1995年制作とは思えない程の完成度。すごいものである。見ながらオースン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」は既に書かれていた時期なのだろうか、などと思い浮かぶ。たいしてどっちが先だの後だのオリジナルだの関係ない話ではあるものの。エンダーの相棒が電脳の海から生まれ電脳の海を放浪する物語をしきりに思い出してしまった。

加えて声フェチにとっては垂涎のスタッフ。その点でも見逃す手は無い、という出来である。
ここまで重い話とテーマを商業ベースにのせてしまう手腕というのも侮り難し。アニメおたくに受けそうな「素子」の擬体とタチコマのコミカルな軽さ、ここもバランスの良さなのだろうなあ、と改めて考える。
ある意味フィリプ・K・デイックにも共通するような暗さなんだけど、こっちは寝ないで済む。


そういえば今回図書館でカズオ・イシグロの「夜想曲」を見つけて借りてみた。「わたしを離さないで」の底流にもこんな暗さと気味悪さがあったっけか…


えらく眼が疲れているんで、さっさと寝たい。って寝ろよ!と自分に言い聞かせているんだが、さて。