女縁のその後

泥棒は図書室で推理する―泥棒バーニイ・シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)  ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)  泥棒は深夜に徘徊する ― 泥棒バーニイ・シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)  伏 贋作・里見八犬伝  「女縁」を生きた女たち (岩波現代文庫)


「ハーモニー」  伊藤計劃  早川書房 ISBN:9784152089922 C0093

「泥棒は図書室で推理する」泥棒バーニイシリーズ ローレンス・ブロック 早川書房 ISBN:4150016925 C0297

「泥棒は深夜に徘徊する」泥棒バーニイシリーズ ローレンス・ブロック 早川書房 ISBN:9784150018023 C0297

「伏」(ふせ)贋作・里見八犬伝 桜庭一樹 文芸春秋 ISBN:9784163297606 C0093

「女縁」を生きた女たち  上野千鶴子編 岩波現代文庫 社会171 ISBN:9784006031718 C0136

たしかにフィリップ・K・デイック賞を獲る為に書かれたような作品。まさにデイックの世界であります。ちょこっとアトウッド的な雰囲気もあるのですがそこまで重さは感じられない文章。SFはIFの世界でもあるけれど現実にはそれが許されない、そこが口惜しい作者の余りに早すぎる死。

ローレンス・ブロックは初めてなのだっけ?アンソロジーはしっかり読んでいる癖にこの自分。泥棒シリーズというのはこんなのだったのかと、とりあえず二冊。女相棒がレズビアンという非常に調子の良い設定でありまして、おかげで自責の念無く毎回違う美女とよろしくやれる泥棒君。
いいのかそれでと言いたいが、ベッドシーンはあっさりした描写なので助かる。でもとりたてて読まねばならないようなものではなさそうなのでこのシリーズを読むのは多分これで終わり。

桜庭一樹を読んでいると、その昔初めて近所の市立図書館分室(小さな公民館の一室だった)に放り込まれてわけもわからず活字をガッツいていた幼い頃の「わくわく感」が蘇って来る。すごく不思議である。南総里見八犬伝ですか、知っておりますよ。NHK辻村ジュサブローの人形が活躍したドラマほとんど欠かさず見ておりましたので。「玉梓(たまずさ)が怨霊〜」というのが流行りましたっけ。テレビで見ていても怖かったあの人形たち。題名の通り「贋作」ではありますが、もうわくわくどきどきの桜庭一樹ワールド!面白し!


先日宮台氏と東氏でしたっけ、「おひとりさまの老後」をひゃかしておられたのにムッとしたせいでもないですが。「女縁が世の中を変える」という著書(1988年刊行)に「その後の20年」をつけた増補版というのを見つけましたので再読兼ねて読んでみた。
読めば読む程納得する。この本の延長に「おひとりさまの老後」があるということで、やはり納得できるのだけれど、両氏何故あのような言い方をしたのだろうと不可解。やはり不愉快だった。このお二人判っているつもりなのだろうが、根本的に判ってないんだとしみじみ思った。まあいいや、判る筈もなし「男」として育った上流階級に。

キャロライン・グレアムの「空白の一章」というのを読み出して50ページ。事が始まるまでに既に登場人物把握できずわけわからなくなる。殺されそうな人が出て来たがやっぱりこれは殺人事件の話?副題が「バーナビー主任警部」とあるからまだ主人公は出て来ないのか?
これは読み続けられるのだろうか?登場人物の区別がつけばどうにかなるとは思うけど、はて。

名探偵コナン「沈黙の15分」見た。さすがちゃんと盛り上げどころを心得た展開。が彼等永遠に「小学1年生」なんだと思ったら気の毒になってきた。隣の席に40代くらいと20代くらいの冴えない格好の母娘が「やっぱりコナンは劇場で見なくちゃあね」といいながら座っていた。
一緒に来る相手がおらんのか娘よと言いたかったが、我が身は50代のおばさんシングル。そっちはいいのか、と反論来そうだわい。