ブラック・スワン

シナリオ全部読まないうちに見て参りました。バレエは映像ですから、って単に読む時間を取ることが出来なかったということですけど。で、すぐに劇場の回数が減っちゃいますのでここらが潮時かと。


完璧、でした。バレエを見慣れている方にはいろいろアラが見えるのかもしれませんが、これはナタリー・ポートマンの演技がすごい。的確な感情表現と完璧なシナリオ。かすかに聞こえる呼吸音とあえぎが「踊る」という行為の苛酷さを示していて、どういうわけか聞いていると「恐怖」を倍増させる。
人間というのは鳥ではないから飛べない。飛んだ振りをする「白鳥の湖」の音楽を聴いているとこちらまで追いつめられてくるような気がする。


くれぐれも、これを見ようという人は「キネマ旬報」の今月号の記事を読まないように。ちょっとしたネタバレなんですが、不幸なことに図書館で立ち読みした自分、その件を読んで執筆者の首締めたろうかと思った。前もって知ると楽しみが欠けちゃいます。それと、絶対見ないという人ならばWikiを読むとあらすじ全部書いてあります。
でもこれお勧めしませんいらぬお節介の夢判断まで付いてきます。


こういうのはやっぱり大画面で見ると美しい!バレエダンサーならこういう代役つけて踊られると不愉快だろうけど、この作品バレエにかぎらない人間の普遍的な本質まで描いている、という意味でお勧め。
バレエに対する見方も少し変わるかもしれませんが。ちなみに演出家役の男優さん、オーシャン12で泥棒二代目で見事な踊り?を見せてくれた人でした。う〜ん、あれも凄かったよなあ。ナタリー・ポートマンは特に思い入れのない女優さんです。
ボクサーやって次はバレエか…女優って何でもやるのねと感心していたら、あれはヒラリー・スワンクだったっけとあとで気付いた。
脇役の女優陣の演技が凄かった。おおこわ、おおこわ、と思いながら楽しめた白鳥の湖
見た甲斐あった。