変死体

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い  ねじれた文字、ねじれた路 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)  変死体(上) (講談社文庫)  変死体(下) (講談社文庫)


ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」 ジョナサン・サフラン・フォア NHK出版 ISBN:9784140056035 C0097

「ねじれた文字、ねじれた路」 トム・フランクリン 早川書房 ポケミス1851 ISBN:9784150018511 C0297

「変死体」上 パトリシア・コーンウェル 講談社 ISBN:9784062771412 C0197

「変死体」下 パトリシア・コーンウェル 講談社 ISBN:9784062771429 C0197


最近頭の回路が老化したせいであまり前衛的なものとか、新しい表現法みたいな物語は避けている。それでも時折評判になっているらしい本を覗いてみたりするという、今回はその手の本。映画化されてるということが主な動機なのだが、少々手こずった。サリンジャーを思わせる饒舌体に惑わされ、複数の物語が交錯しながらすすんでゆくというので迷子になり。結果悪い話ではなかったけれど、どういう風に映画化したんだろうかこれまた想像するに余りある。ギュンター・グラスブリキの太鼓張りのイメージの海は苦手なのだが、その混乱が少年の感情の奔流を現していて効果的ではある。まいったな。


「ねじれた文字」は邦題としてはいかがなものかと言う気がしなくもないが、中身は「ミステイック・リバー」的なイメージのなかなか趣のある物語だった。ちょっとご都合主義?という感じの作りかとは思ったが、最後に少し救いはあるし暗くならずにすんだ。佳作。ルヘインの作を読んでいなかったらもっと評価は高かったろうけど、なにしろあっちは圧倒的だから仕方ない。ミステリーというよりはノアール的な傾向にある。


スカーペッタの「黒蠅」がなにか問題があったかしら、なんだかTwitterで出ているけど。年齢の話でしょうか?
主人公を突然若返らせるなんていう技は普通出来ないんだろうけど、あえてやっちゃったコーンウェルの開き直りはそれでいいんじゃないかと思う。クリステイだってポワロとかマープルの年で相当苦労していらっしゃった話があったような。作者本人が著作権持ってるんだしどう料理しようと自由かも。60才が20才になったらホラーになっちゃうけどね。
てなはなしはさておいて「黒蠅」は話についてゆけなくて結局読み終えられなかったんだっけ。読み終えられないのに何故読むのとひとり突っ込みながら今回も手にとり、今回は読めました。
理由は…わかりません。こっちの脳みその回路が故障していなかっただけかもしれない。最近スカーペッタの愚痴を延々と聞いているのが面倒なんですよね。で、今回もスタッフがひとり死亡する。たしか以前も…大丈夫かスカーペッタ!ミステリー的には可もなし不可もなし。マリーノにも少し優しくしてやれよ、とつぶやくのであった。