RDG5

「わたしには家がない」ハーバード大学に行ったホームレス少女 ローラリー・サマー 竹書房 ISBN:4812417848 C0097

よろずのことに気をつけよ」 河瀬七緒 講談社 ISBN:9784062171434 C0093

「いねむり先生」  伊集院静  集英社 ISBN:9784087714012 C0093

「十字軍物語3」  塩野七生 新潮社 ISBN:9784103096351 C0322

「百」 色川武大(いろかわ ぶだい) 新潮社

「宿六・色川武大」  色川孝子  文芸春秋 ISBN:4163442006 C0095

「スパイス、爆薬、医薬品」世界史を変えた17の化学物質  P・ルクーター J・バーレサン 中央公論新社 ISBN:9784120043079

水時計」 ジム・ケリー 創元推理文庫 ISBN:9784488278052 C0197

「火焔の鎖」 ジム・ケリー 創元推理文庫 ISBN:9784488278069 C0197

「RDG 5 レッドデータガール」学園の一番長い日 荻原規子 角川書店 ISBN:9784041100394 C0093

「夢違」(ゆめちがい)  恩田陸  角川書店 ISBN:9784041100608 C0093



怠けているうちに1ヶ月経過。ほとんど活字を食っていないけどここまで溜まってしまったのは単に先月分があるため。さてさて中身を覚えているだろうかと挑戦。


「わたしには家がない」
米国のシングルマザーの子がホームレス収容施設を親子で転々としつつ、なんと裕福な子女子息の通う名門ハーバード大学に通い卒業という標題とおりのノンフィクション。米国全土にこういう施設がかなりあるらしくというのも興味深い事情に加え、やはりホームレスの子女がここまでの名門に入学するというのはアメリカンドリーム、すなわち珍しいからテレビに出されたりインタビューされたりしていたらしい。
ただ卒業した時点が当然ながら本人にとっての「終点」ではない。これからどうやって研究したり生活してゆくか、というのが本分なわけで。珍しいパンダ扱いで読むよりも、このあと彼女がどういう風に生きてゆくのかということの方が大切。


「よろづのことに気をつけよ」
江戸川乱歩賞受賞作。受賞作より受賞後の方を読むことが多いのだけれど今回は趣向をかえてみた。えらくスピーデイーな展開でやたらと調子良い。が、次作は何か書いているのだろうか。突然小説を書き出した第一作がこれらしい。すんません、感想がどっかに消え失せた。あ、そうだ「京極夏彦から蘊蓄を取ったらこんな感じ」かしらんと。すなわち、あっけない。



「いねむり先生」
絶賛されている本ということで。「古本屋の女房」の作者を伊集院と勘違いしており、これは映画の夏目雅子つながり勘違い。ということは別にして、ある意味とても怖い人たちの話であった。幻覚を日常的に見て暮らさねばならないというのは想像を絶するものがある。ということでわが本の遍歴は「いねむり先生」である色川武大の本へとつづくのだ。


「十字軍物語3」
まだまだつづくのではとおもっていたこのシリーズ、この巻で終了とはなんともさびしい。その寂しさにまさる十字軍とサラセンの暴虐きまわりない闘いと血腥さ。あっけにとられる。塩野七生の真骨頂というか、小気味の良い語りにうっとり、していていいのかどうかよくわからんが。


「百」「宿六・色川武大
「百」は著者色川武大、「宿六」は、その妻孝子が著者。怖いっす。淡々と語っているのがよほど怖い。



「スパイス・爆薬・医薬品」
時間切れで中途で終わったが、理系好きな高校生に断然おすすめの、そして科学史好きの大人には世界観が一気に広がる目からウロコ本。これに「銃・鉄・病原菌」を揃えたらミクロからマクロまで俯瞰する世界史が眼前に出現する。
久々に良い本に出会ったという感じ。(といいつつ読み終えられなかったけど)


水時計」「火焔の鎖」
ジム・ケリー2連作。ミステリーでありノアールであり、というタイプの話。活字食欲減退時にはいまいちの味だったが出来は悪くない。なにしろ面白い主人公の環境設定。ちょっと動機にあまり切羽詰まった感じが無いのが玉にきずか。


RDB5 レッドデータガール」 
そろそろこの物語も最終章に入って来た。あと一冊というとこだろうか。謎の全貌がそろそろ見えて来始めている。 どう納まるのだろうかと楽しみなところ。

「夢違」
恩田陸さん賞をまたとれなかったけど、いいんです。ファンとしてはどちらにせよ読むんですから。ジャック・フィニイ内田善美かという世界が広がるが、やはり恩田陸である。最後の場面何故か山本周五郎の「樅の木は残った」の最後の一行を思い出し、鳥肌が立つおもい。