ファイマンさんの流儀

ファインマンさんの流儀―すべてを自分で創り出した天才の物理学人生  先生、モモンガの風呂に入ってください!―「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学  表裏井上ひさし協奏曲  コラテラル・ダメージ グローバル時代の巻き添え被害



コラテラル・ダメージ」グローバル時代の巻き添え被害  ジグムント・バウマン 青土社 ISBN:9784791766376 C0030

「表裏井上ひさし協奏曲」  西舘好子 牧野出版  ISBN:9784895001496 C0095

「先生、モモンガの風呂に入ってください!」 小林朋道 鳥取環境大学の森の人間動物行動学 築地書館 ISBN:9784806714378 C0040

「ファイマンさんの流儀」 すべてを自分で創り出した天才の物理学人生 ローレンス・M・クラウス 早川書房 ISBN:9784152092700 C0042




気が散ることが多く、集中して本が読めない。と、まあのっけから言い訳。

コラテラル・ダメージ
プロローグで目からウロコが落ちる。おおこれはすごいかも、と思ったらその後が読み続けられず。
こちらの頭が欠陥商品なのか、書き手の方に問題があるのかさだかになし。読めませんでした。

「表裏井上ひさし協奏曲」
もと奥様の書かれた本。なぜこんな本を書いたのか、という事情が壮絶。
或る時期から自分、井上ひさし読む気がしなくなったのはなんとなくそういう雰囲気があったのだろうか。憲法云々あたりからなんだか「あれ?」という感じはあった。
それとは別に、若かりし頃の井上夫妻の姿、時代の描写、いろいろと資料になりそうな記述満載。
この本を借りる同じ日の午前中、若山弦蔵さんがたまたま「ひょっこりひょうたん島」が打ち切りになった事情をラジオで語っていたのを聞いた。不思議なご縁である。
井上夫妻は夫婦というより「同志」であったのだなあと納得する。そして、だからこそ「可愛さ余って憎さ百倍」となる。井上ひさしという人の業とやらも厄介なものであったようである。と、いつつこれもまともに読めていない。この葛藤読むの辛いわ。

「先生、モモンガの風呂に入って下さい」
いつもたのしい小林先生のおはなし。大分語り口に慣れて来た、というより写って来た感じがする。
モモンガを風呂桶に一杯あつめてその中に入るのか、とか猿風呂ならぬ露天のモモンガ風呂があるのか?(動物虐待?)
とか頭の中がぐるぐるしていましたが、実際は違いました。本当は、というのは読んでからのお楽しみ。
標題のとおり今回はモモンガが話題の主人公のひとり?です。自分の好きなアカハライモリ君も登場。
それにしても強力な新入生が入学して来たようで、先生も嬉しいでしょうね。

「ファイマンさんの流儀」
フェルミ伝」と「オッペンハイマー」読んでて良かった。でないと時代的雰囲気の補足が難しかったかもしれない。
リチャード・ファイマンの学問的実績を明らかに説明するという使命を以て書かれた本。翻訳者が京大の物理学専攻出身というせいもあって、数学物理音痴の自分でも楽しくしかも判った気にさせてくれる良書。もういちど「ご冗談でしょうファイマンさん」再読してみたくなる。
しかしほんとうに女性が好きだったのねえ。まあちょうどそういう時代でもあったわけですけど。ともあれ、高校時代以来の量子物理理論の発展方向とやらをこの本でぼんやりと(なにしろ頭がついてゆかん)伺うことができて両得となりました。
面白かったぜ。万人にとってそうか、とはいえないけど。